ITの「負担」をどう乗り越えるか、DX支援企業が語る現場のリアル
介護業界では今、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「生産性向上」という言葉を耳にする機会が急激に増えている。
しかし現場では、「何から始めればいいのか分からない」「IT導入で逆に業務が増えた」という声も少なくない。
なぜこのような状況が起きているのか。
株式会社ビーブリッド代表取締役CEOの竹下康平氏は、その理由の一つとして「介護サービスの多様性」を挙げる。
竹下氏は次のように語る。
「介護は本当に難しいんです。特養・老健・特定施設、この三つだけでも全然違う。そこに住宅型や在宅サービスが入ってくると、運営の仕組みも業務フローもまったく変わります」
つまり、「介護DX」と一言で言っても、サービス種別によって導入方法や運用方法は大きく異なるということだ。
この構造を理解せずにIT導入を進めると、現場の負担が増えるケースも少なくない。
ITは便利だが、負担も生む
IT導入は業務効率化の手段として期待されているが、竹下氏はその現実を次のように説明する。
「ITは確かに楽にしてくれる部分もあります。ただ一方で、使いこなすための新しい手間や管理業務も生まれるんです」
例えば、
・ネットワークトラブル
・パソコンの不具合
・増え続けるIDとパスワード管理
こうした問題が起きたとき、現場では職員や管理者が対応に追われることになる。
「ネットワークの調子が悪いだけで、職員や施設長が調べ始める。そうすると三人の頭の中が“ネットどうしよう”になる。本来は利用者のケアに使うべき時間が奪われてしまうんです」
ITは時間を生む一方で、新たな時間の消費も生む。
この「ITの負の部分」をどう扱うかが、DX推進の大きな課題になっている。
2040年に向けて避けて通れない課題
さらに介護業界には、もう一つ大きな問題がある。
それが人口構造の変化だ。
日本では就労人口が約7000万人から約5300万人まで減少すると予測されている。
一方で、高齢者人口は当面増え続ける。
「利用者は増えるのに、職員は減る。この状況の中で、今までと同じやり方を続けることは難しくなります」
そのため国は、生産性向上やDXを制度の中に組み込み始めている。
生産性向上推進体制加算なども、その流れの一つだ。
ただし竹下氏は、こうした取り組みを「制度対応」として捉えるだけでは意味がないと指摘する。
「政府が無理やりやらせているわけではありません。すべては人口統計が背景にあります。何もしなければ、介護サービスが届かない人が出てくる可能性があるんです」
専門職にITを求める難しさ
さらに現場の課題として挙げられるのが、専門性の違いだ。
介護職や看護師、ケアマネジャーはケアの専門家である。
しかしDX推進ではIT知識も求められる。
「例えるなら、寿司屋にタクシードライバーをやってくださいと言っているようなものです。専門性が違うんです」
こうした状況の中で、どのように現場の負担を減らしながらDXを進めていくのか。
竹下氏は、介護事業者のIT課題を外部から支援する新しい仕組みについても紹介している。
その具体的な内容については、以下の動画で詳しく解説されている。
■動画
【お役立ち研修】
次世代介護マネジメントフォーラム
https://tsuusho.com/managementforum




















