ADLのリハビリ支援には、見当識、記憶、失行、失認などの認知遂行機能評価が重要です。
どの時間帯に、どこで、どんな状況で行うのか、その行為遂行上の困難はどこにあるのか、日によってのパフォーマンスの変動、危険性(リスク)と改善の可能性(ニーズ)を見立て、チームで協働します。
元々のやり方を大きく変えることは認知症の人に大きな混乱を生じさせてしまうので、注意が必要です。
ADLは基本的な起居移動能力がベースとなるため、身体機能をきちんと評価します。
起居移動動作能力と生活場面での観察ポイント
■寝返り
(観察のポイント)
体のこわばり、発動性の低下
■起き上がり
(観察のポイント)
体幹の回旋、頸部・首、肩の使い方
■座位保持
(観察のポイント)
姿勢障害(ピサ症候群)
■立ち上がり
(観察のポイント)
バランスや重心移動、体の突っ張り、つかまりの有無と程度
■立位
(観察のポイント)
バランスと耐久性、姿勢、足の上げ幅や立ち直り反応の状況
■移乗
(観察のポイント)
移乗動作の滑らかさ、バランス、危険性
■屋内歩行
(観察のポイント)
実用性、バランス、日内差
■回転・段差
(観察のポイント)
環境に応じて体をうまく使えるか
■床からの動作
(観察のポイント)
長座位、四つばい、膝立ち、立ち座り
■応用歩行
(観察のポイント)
悪路、坂、階段、またぎ越しなど
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