VAC トレーニングとは?
VACとは、視覚(Vision)、注意(Attention)、認知(Cognition)の頭文字を合わせた造語で、この3つの機能を合わせたトレーニングを指します。
体を動かそうとするときは、この3つが同時に機能するため、注意の配分が必要です。
さまざまな機能(感覚)を併用しての動作を行うため、脳の活性化につながります。
VACトレーニングの効果
転倒予防
転倒予防では、視覚・注意・認知の各機能が重要です。
認知症予防
認知症の人は、同時に複数のものへ注意を向けることが早期から低下するため、VACトレーニングは効果的です。
認知症の人は以下のように歩きながら障害物に注意を払うなどが苦手になります。
複数のものへ同時に意識を向ける注意の分割のトレーニングが有効です。
例1)障害物に気付かず、つまずきやすい。また、ほかのことに気をとられてバランスを崩しやすい
例2)話しながら歩行すると、返答を考えながら歩くため、多重課題になり足を止めてしまう
例3)話や歩行に集中してしまい、自動車やほかの歩行者、信号に気付かず、事故や転倒につながりやすい
評価・観察の視点
視覚機能(眼球運動・視野・遠近・動体視力・奥行・協調性)
・ある場面を切り取った絵を一瞬見せ、どんな場面か答えてもらう
・一瞬での暗記が難しければ、秒数を増やして、何秒あれば描いてある絵が覚えられるかを見る
【アレンジ】
単純な絵から複雑な絵にする
注意機能(配分・持続・選択・転換)
・足踏みをしながら、職員が右と言ったら、右手を上げてもらい、左も同様に実施する
・足踏みをしながら、指示した言葉で手拍子をしてもらう
・職員が言う単語のうち、食べ物のときだけ手拍子をする
【アレンジ】
・歌を歌いながら行う
・手だけではなく、足や首なども動かしてもらう
各感覚別認知機能(視覚・触覚・味覚・嗅覚・位置覚・運動覚)
(1)物品を順番に提示し、一度物品を片付ける
(2)再び物品を提示し、最初に提示した順番に並び替えてもらう
(3)提示していない物品も入れておき、覚えてもらった中にあったかどうかも答えてもらう
【情報提供元】