会長:妹尾弘幸の報告
2020年10月30日(金)に「第190回介護給付費分科会」が開催されました。
今回のテーマは、「居宅介護支援・介護予防支援」と「施設系サービス」について主に話し合われました。
以下の点で討議されました。
討議テーマ一覧
【1】令和2年度の経営実態調査(令和元年度の結果を2年度に調査する)
【2】居宅介護支援・介護予防支援
【3】介護老人福祉施設
【4】介護老人保健施設
【5】介護医療院、介護療養型医療施設
【1】令和2年度の経営実態調査(令和元年度の結果を2年度に調査する)
人件費上昇などで、多数のサービスで平成30年度に比べ収益が悪化
【2】居宅介護支援・介護予防支援
(1)受け持ち件数超過に伴う低減制について
■ICTや事務職員の活用
→上記に対しては「ケアプランの質の担保」「業務の明確化」などの意見あり
(2)特定事業所加算について
■ケアプランへインフォーマルサービスの掲載などへの評価
→上記に対しては「研修の実施」「マニュアル作成」「情報インフラの整備」など自治体側の支援に対する要望あり
(3)通院時の同行訪問・情報連携
■通院時の情報連携を評価
→上記に対しては「要件を整備する必要がある」などの意見あり
(4)ケアマネ業務以外の業務の自費徴収
■ケアマネ業務以外の業務が生じた場合に実費徴収を認めてはどうか
→上記に対しては「ケアマネ業務とそれ以外の線引き」「低所得者への対応」「保険外サービスの議論に合わせて実施してはどうか」などの意見あり
(5)サービス利用にならなかった場合の業務評価
■ケアプラン作成につながらなかったケースについての評価について
→上記に対しては「一定のケアマネジメントプロセスの実施時には評価すべき」などの意見あり
(6)介護予防支援への対応
■地域包括支援センターが外部委託しやすい環境整備
→上記に対しては「要支援者の報酬単価アップ」などの意見あり
【3】介護老人福祉施設
(1)人員基準の緩和
■従来型とユニット型の介護・看護職員や特別養護老人ホームと小規模多機能型居宅介護の管理者・介護職員、特別養護老人ホームとサテライト居住施設の生活相談員の兼務、地域密着型特別養護老人ホームにおける栄養士の基準緩和
→上記については賛否両論あり
(2)ユニット定員の拡大
■ユニットの定員を10名から15名程度へ拡大
→上記についても賛否両論あり
(3)看取りの評価(介護老人保健施設も同じ)
看取り介護加算の在り方について「加算としての評価」「運営基準で規定する」などの意見あり
(4)リスクマネジメントについて(介護老人保健施設も同じ)
■「書式の統一化」「管理体制の強化」
→上記については概ね賛成意見が多い中、書式の統一化については、記載必須事項の提示で良いのではという意見あり
→事故報告書の提出基準の明確化の要望もあり
(5)高齢者虐待防止について
■運営基準へ委員会設置や責任者研修修了などの規定を設ける
→上記に対して他の会議との一体的開催を可とすることを求める声あり
【4】介護老人保健施設
(1)在宅復帰・在宅療養支援等評価指標について
■訪問リハ実施数の重視やリハビリ3職種の配置評価
→上記に対しては、過疎地などでの人材の広域確保の促進に対する要望あり
(2)リハビリテーション機能の強化について
■心身機能の維持改善の評価、VISITへの情報提供
→上記については、現場負担軽減の要望あり
(3)退所前連携加算について
入所者との退所前・後の連携について評価
(4)所定疾患施設療養費の算定要件について
「検査の明確化」「算定期間の延長」「対象疾患の見直し」など検査を算定基準化するなどの意見あり
(5)かかりつけ医との連携について
かかりつけ医との連携推進で薬剤数減少の推進を提案
【5】介護医療院、介護療養型医療施設
有床診療所からの「移行促進」「移行支援策」などの推進について提案あり
【情報提供元】
■第190回社会保障審議会介護給付費分科会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14334.html
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