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認知症ケアの出発点は「安心」をどうつくるか

2026.02.02

認知症ケアというと、「どう対応するか」「どう声をかけるか」といった技術やノウハウに目が向きがちです。
しかし、この動画(実践!認知症ケア研修会2025ハイライト動画)で繰り返し語られたのは、その一段手前にある、もっと本質的な問いでした。


「ご利用者は、いま本当に安心できているだろうか」

「その行動の裏に、どんな思いがあるのだろうか」


「寄り添う」とは、そばにいることではない

本動画では、「寄り添う」という言葉の再定義が行われました。
認知症のある利用者が落ち着かずに歩き回る場面で、「担当なので寄り添っています」と、ただ横に付き添う。
一見すると丁寧なケアに見えますが、寄り添う目的は一緒にいることではありません。
安心してもらうことです。
ここでいう安心とは、身体的な安全ではなく、「心が安らいでいる状態」を指します。
だからこそ必要なのは、「なぜ歩いているのか」「何を見て、何を感じているのか」を考える視点です。
外に出て「帰りたい」と訴える人に対し、一緒に歩くこと自体が目的になってしまえば、寄り添いは形だけのものになります。
寄り添うとは、行動ではなく、思いに向き合うことなのです。


人は「できること」をしているときに安心できる

後出しで勝ち続けることは簡単でも、後出しで負け続けることは難しく、体験した多くの方が不安や焦りを感じます。
ここから導かれた結論は、非常にシンプルです。
人は、慣れていて、できることをしているときに安心できる。
逆に、できないことを強いられると、不安になる。
この視点は、認知症ケアのあらゆる場面に通じます。


・理解できない説明

・慣れない手順

・急かされる声かけ


これらはすべて、「不安」を生み出す要因になり得ます。


認知症ケアとは「ズレを修正する関わり」である

認知症ケアを、「生活やコミュニケーションのズレを修正する営み」 として捉えてみてください。
認知機能の低下によって、本人の理解と、周囲の状況との間にズレが生じます。
そのズレが放置されると、混乱が行動として表出します。


「静かにしてください」

「座ってください」


こうした対応は、ズレを修正するのではなく、力で押さえ込んでいるだけかもしれません。
なぜそのような行動になっているのか。
理由を考えずに制止することは、ケアとは言えません。
この状況は、多くの介護現場で起こっているのではないでしょうか。


「拒否」ではなく、「不安」があるだけかもしれない

そもそも「拒否」という言葉が適切なのか、という問いが投げかけられました。
電気料金の営業電話の例が紹介されます。
私たちは電話を「断って」いますが、その背景には「よく分からない」「騙されたくない」といった不安や警戒心があります。
入浴を嫌がる人も、それと同じ原理で、入浴そのものを拒否しているのではなく、不安によって心が固くなっているだけかもしれません。
重要なのは、行動や言葉をそのまま受け取ることではなく、その裏にある理由を考えることです。


入浴は「その場」で決まるものではない

高齢者の入浴頻度は、平均して週2〜3回です。
必ずしも毎回、デイサービスで入浴する必要があるのでしょうか。
(もちろん、担当者会議等を通して必要なアセスメントを行い、各専門職の意見や本人の意向を踏まえ、ケアマネジャーがケアプランに位置づけたサービスを実施することが前提です。)
大切なのは、入浴前の関係性づくりです。


・来所時の声かけ

・送迎時に流れる好きな音楽

・「今日は入浴日」と意識した関わり


こうした積み重ねが、「ここは安心できる場所」という感覚を育てます。
これは、認知症ケアにおける伴走支援そのものだと言えるでしょう。


BPSDは「環境と安心」で変えられる

認知症の症状は、中核症状とBPSD(行動・心理症状)に分けて考える必要があります。
中核症状は疾患由来で進行しますが、BPSDは、環境調整や関わり方によって改善が可能です。
認知症の方への関わりが難しくなると、嘘や場当たり的対応に頼りたくなる場面もあります。
しかし本来は、環境や関係性を見直す余地が必ずあります。


同じ質問を繰り返すのは、「安心したい」から

認知症の方が同じ質問を何度も繰り返す行動も、「困った症状」として片付けられがちです。
しかし、新しい記憶が定着しにくい状態では、不安が常に続きます。
その不安を、優しく答えてもらうことで和らげたい。
だから、同じ質問をする。
これは、病気の子どもが何度も周囲に確認する行動と本質的に同じです。
認知症ケアとは、人間の自然な反応をどう理解するかという問いでもあります。


技術の前に考え方を


・安心とは何か

・寄り添うとはどういうことか

・行動の裏にある理由をどう考えるか


こうした土台となる考え方を技術研修や対応方法を学ぶ前に、改めて確認する必要があるのではないでしょうか。
認知症ケアは、特別なスキルではありません。
日々の関わり方そのものが、ケアの質を決めます。


本動画は、昨年開催した「実践!認知症ケア研修会2025」のハイライトです。
認知症ケアを「対応」ではなく「考え方」から見直したい方、現場での関わりに迷いを感じている方には、多くのヒントが詰まっています。
今年開催予定の「実践!認知症ケア研修会2026」では、この考え方をさらに深め現場で活かす視点をお伝えします。 まずは、ハイライト動画をご覧ください。


■実践!認知症ケア研修会2025 ハイライト動画

https://youtu.be/pU_8otSzyYU


【情報提供元】

実践!認知症ケア研修会2026

https://tsuusho.com/dementia

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