
厚生労働省は2026年3月4日に介護保険最新情報Vol.1474を発出し、令和8年度に実施される「介護職員等処遇改善加算」の新たな運用ルールを示しました。
この通知では、2026年6月から拡充される処遇改善加算について、算定要件、申請方法、計画書様式、事務処理手順などが示されています。
現時点では「案」としての提示で、正式通知は3月中旬に出される予定です。
今回の制度拡充は、深刻な介護人材不足を背景に、介護従事者の賃上げを目的とした期中改定として実施されます。
以下
(1)今回の処遇改善加算で何が変わるのか
(2)事業所への影響
(3)事業所が準備すべきこと
の3つの視点で整理します。
(1)今回の処遇改善加算で何が変わるのか
対象が「介護職員」から「介護従事者」へ拡大
これまでの処遇改善加算は、主に介護職員を中心とした制度でした。
しかし今回の改定では、対象が介護従事者全体へ拡大されます。
これは、介護サービスが多職種連携で成り立っている実態を踏まえたもので、処遇改善の恩恵をより広い職種へ波及させる狙いがあります。
賃上げ水準の目安が提示
今回の制度では、賃上げの目安として次の水準が示されています。
基本部分
・月額 約1万円(約3.3%)の賃上げ
・生産性向上に取り組む事業所
・追加で 約0.7万円(約2.4%)
さらに定期昇給などを含めると、最大約1.9万円(約6.3%)程度の賃上げを想定した制度設計となっています。
新たなサービスにも加算を創設
これまで処遇改善加算の対象外だったサービスにも新たに加算が設けられます。
主な対象は以下のサービス。
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・居宅介護支援
・介護予防支援
これにより、介護保険サービスの幅広い分野で処遇改善が行われる仕組みとなります。
生産性向上の取り組みを評価
今回の制度では、生産性向上の取り組みがより重視されています。
例えば、
・ICT機器の導入
・業務手順書の作成
・業務改善の取り組み
などが評価対象となります。
これらの取り組みを進める事業所には、処遇改善の上乗せが想定されています。
(2)事業所への影響
今回の改定は、単なる賃上げ制度ではなく「処遇改善+生産性向上」をセットで進める仕組みとなっています。
現場への主な影響は次の3点と考えられます。
賃金配分の見直し
賃上げを実施するため、「賃金規程」「手当配分」「処遇改善配分」などの見直しが必要になる可能性があります。
また、今回の制度ではベースアップを基本とする賃上げが求められています。
対象職種の整理
対象が介護従事者へ拡大したことで、事業所内で
・どの職種を対象にするのか
・どの程度配分するのか
を整理する必要があります。
業務改善の取組が重要に
今回の制度では、生産性向上の取り組みが処遇改善と連動しています。
そのため
・ICT活用
・業務フロー整理
・業務分担の見直し
などが、これまで以上に重要になります。
(3)事業所が今から準備すべきこと
令和8年度の処遇改善加算を取得するために、事業所が準備しておくべきポイントを整理します。
処遇改善計画書の作成
新年度の処遇改善加算を算定するには、例年同様に計画書の提出が必要となります。
提出期限は原則2026年4月15日とされています。
キャリアパス要件等の整備
新たに対象となる事業所などについては「キャリアパス要件」「職場環境等要件」の整備が必要となります。
ただし今回の制度では、2027年3月末までの整備猶予が設けられています。
職場環境改善の取り組み整理
職場環境等要件では、「ICT導入」「業務手順書」「業務改善」などの取り組みが求められます。
これらを整理し、どの取り組みを実施しているかを明確にしておくことが必要になります。
今後のスケジュール
現時点で示されている主なスケジュールは次のとおりです。
・2026年3月中旬:正式通知
・2026年4月15日:処遇改善計画書提出
・2026年6月:制度開始
整理を早めに進めておくことが重要になります。
【お役立ち情報】
次世代介護マネジメントフォーラム
https://tsuusho.com/managementforum
介護の制度改定と対応策セミナー
介護保険最新情報 Vol.1474
https://www.mhlw.go.jp/content/001666256.pdf
【お役立ち研修】




















