年商6億規模へ成長した地域戦略の本質
介護事業を取り巻く環境は、かつてないほど不確実性を増している。
介護報酬は抑制傾向にあり、加算は複雑化。
制度に合わせて努力しても、それが必ずしも収益に直結するとは限らない。
こうした状況のなかで、年商6億規模へと成長を遂げたのが、神戸市を拠点に多角的な事業展開を行う株式会社PLAST。
代表の廣田恭佑氏は、はっきりと語る。
「同じことを続けていたら、事業は衰退します。」
同社はリハビリ特化型デイサービス、予防特化型デイ、訪問看護、福祉用具、就労支援、放課後等デイサービス、保育園など、介護・福祉領域を横断する事業を展開している。
しかしその根底にあるのは「拡大」そのものではない。
地域の課題に応じて必要な機能を積み上げてきた結果が、現在の姿だという。
もともとは全国展開も視野に入れていた。
しかし、現場で利用者と向き合うなかで見えてきたのは、地域ごとにまったく異なるニーズだった。
要支援から要介護まで幅広く関わるなかで、「同じパッケージを広げる」よりも「地域の課題を解決する」ことに舵を切った。
その戦略転換こそが、成長の分岐点になったと振り返る。
制度改定への向き合い方も特徴的だ。
加算が取れなくなる、報酬が下がるといった変化に対して、無理に適応し続けるのではなく、「制度は自分たちでは変えられない」と冷静に捉える。
その上で、報酬以外の価値創出を模索する。
利用者にとって本当に必要なサービスは何か。
地域に不足している機能は何か。
そこに新たな事業機会を見出してきた。
ただし、廣田氏は「儲かるだけの事業はやらない」と明言する。
新規事業の検討では、必ず収支の成立性と同時に「本当に自分たちがやるべきか」を問い直す。
他で代替可能なら連携を選ぶ。
自社で担う必然性がある場合のみ形にする。
この姿勢が、無理な拡大を防ぎ、持続性を支えている。
また、組織づくりにも大きな転換点があった。
創業から5〜6年目、理念が現場に十分浸透せず、リーダーごとの価値観の差が組織の不安定さを生んだ時期があったという。
そこで人事部門を立ち上げ、リーダー教育を体系化。外部コンサルの理論をそのまま導入するのではなく、自社に合う形へと再構築した。
人材育成の内製化は、組織文化の安定につながった。
廣田氏は、成長する事業所と停滞する事業所の違いをこう語る。
「社長の理想と柔軟性のバランスが取れているかどうか。」
大きな理想を掲げる「エゴ」と現場の声を取り入れる「柔軟性」。
その両立が、持続的な成長を生む鍵だという。
制度に翻弄されるのではなく、地域課題を起点に戦略を描く。
理念と収益のバランスを取りながら、組織を磨き続ける。
■動画
【お役立ち研修】
次世代介護マネジメントフォーラム
https://tsuusho.com/managementforum




















