
介護業界において「人が集まらない」「辞めてしまう」という課題は、もはや慢性化しています。
一般産業を含めて求人条件や給与水準の改善は当然重要ですが、それだけで人材が定着する時代ではありません。
いま求められているのは、職員が「ここで働き続けたい」と感じる環境設計です。
その鍵を握るのが、「感情のマネジメント」「組織参加の質」「承認の仕組み」です。
モチベーションより先に整えるべきもの
よく「モチベーションを上げる」と言いますが、モチベーションは「意味づけ」によって支えられています。
自分の仕事が誰のためで、何につながっているのかが明確であれば、簡単には揺らぎません。
一方で、日々揺れ動くのが「感情の状態」です。
体調、家庭状況、夜勤明けの疲労、人間関係などさまざまな要素で気分は上下します。
この感情の波を放置したまま業務に入ると、チーム全体の雰囲気が沈みます。
だからこそ重要なのは、「1日のスタートで空気を整える」ことです。
例えば、朝礼での簡単なポジティブアクション。
短時間で笑顔が生まれるような仕掛けは、科学的にも気分転換に効果があります。
重要なのは内容の派手さではなく、「全員が同じアクションを共有する」ことです。
全員参加がつくる組織の一体感
職場の健全度を測るシンプルな指標があります。
それは「公式な集まりへの参加率」です。
全体会議や委員会活動への出席率が低い組織は、往々にして情報共有が不十分で、現場判断がバラつきます。
特に24時間稼働の介護事業所では、開催方法に工夫が必要です。
・同内容を複数回開催する
・年間スケジュールを先に提示する
・参加しやすい時間帯を設計する
主催者側が本気で「全員参加」を目指さなければ、参加率は上がりません。
同時に、参加を評価対象にすることも重要です。
協調性や責任感は抽象的に語られがちですが、「会議に出席したかどうか」は明確な行動指標です。
評価されない行動は、やがて行われなくなります。
当たり前を当たり前に実践する職員を、正当に評価する仕組みが必要です。
「やらされ感」はどこから生まれるのか
会議がつまらないという声は多く聞かれます。
確かに運営側の改善努力は不可欠です。
しかし、参加者側の姿勢も無関係ではありません。
受け身で臨めば、どんな会議も面白くありません。
組織に所属する以上、会議参加は業務の一部です。
決定事項に意見を持つなら、その場にいる責任も伴います。
主体性は、楽しさの前提条件です。
承認の仕組みを制度化する
最後に重要なのが「承認の可視化」です。
頑張りを言葉だけでなく、仕組みとして記録する方法があります。
例えば、一定の行動を達成するごとに管理者が認証するポイント制度。
小さな達成を積み上げる形式にすると、ゲーム性が生まれます。
報酬は金銭でなくても構いません。
重要なのは「公平に」「誰の目にも見える形で」評価されることです。
こうした仕組みは、離職抑制にも一定の効果を持ちます。
人は達成目前のものを手放しにくい心理特性があるからです。
まずは小さく試す
組織文化は一夜では変わりません。
しかし、空気を整え、参加を設計し、承認を制度化する。
この3点を押さえれば、確実に変化は始まります。
来年度からではなく、まずはテスト導入。
行動が、組織を変えます。
【お役立ち研修】
次世代介護マネジメントフォーラム
https://tsuusho.com/managementforum




















