「認知症」を「疾患」という視点で考える
まず大事なことは、認知症は病名ではなく状態を表した言葉であるということです。
病名としては 「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」となります。
ほかにもさまざまなものがありますが、今回は認知症の中でも最も患者数が多いとされる「アルツハイマー型認知症」に焦点を当てて進めます。
認知症とは「脳に起きた変化によって記憶障害が起こり、日常生活を送ることが困難になっている状態」と言えます。
特にアルツハイマー型認知症は、「記憶の障害」を主症状とします。
私たちの生活では「記憶が大事」と先述しましたが、記憶が障害されてしまうのが認知症なのです。
国が推奨し、各自治体で実施されている『認知症サポーター養成講座』のテキストでは、記憶障害について上図のように記載されています。
これを見ると、認知症初期の特徴は「覚えられない」ことです。
そのため、「5分前に尋ねたことでも覚えられない」という方も多く、何度も同じことを聞きに来られる方もいるのです。
そして認知症が進行すると、「覚えられない」だけでなく「覚えたことを忘れてしまう」ようになります。
今まで覚えてきた大事なことをポロポロと忘れていく…それが特徴です。
ここで大切なのは「何もかもを忘れるわけではない」ということです。
多くの人が認知症の人に対して「ぼけたら何も分からなくなるから本人は幸せ」と言う時代がありました。
しかし、クリスティン・ブライデン氏をはじめとする認知症を抱えた当事者の方によると、「何も分からなくなるわけではなく、分かりにくくなるだけ。分かることもたくさんある」のです。
【情報提供元】
■認知症ケア最前線Vol.39(一部抜粋)
■渡辺 哲弘 氏(株式会社きらめき介護塾 代表取締役)
【認知症ケアについて学ぶ】
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■認知症の人の行動と環境から考える!その人らしさを引き出すための具体的支援方法
https://tsuusho.com/conference/schedule/#1204_2
■認知症の方への自立支援の環境づくりから考える!施設を利用する方々が地域で活躍する仕組みとは!
https://tsuusho.com/conference/schedule/#1205_5
■認知症の方の生活改善につながるじりつ支援のアプローチ
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■認知症の方へのじりつ支援の介助技術
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