身体拘束とは
本人の意思に反し、以下のような方法で行動を制限することを言い、介護施設では原則として禁止されています。
・徘徊しないように、車椅子や椅子、ベッドなどに体幹や四肢をひもなどで縛る
・転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひもなどで縛る
・自分で降りられないように、ベッドを柵などで囲む
・「点滴」「経管栄養」などのチューブを抜かないように、四肢をひもなどで縛る
・「点滴」「経管栄養」などのチューブを抜かないように、または皮膚を掻きむしることのないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋などをつける
・車椅子や椅子からずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型拘束帯や腰ベルト、車椅子テーブルなどをつける
・立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する
・脱衣やオムツはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる
・他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひもなどで縛る
・行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる
・自分の意思で開けることのできない居室などに隔離する
尊厳とは
日本国憲法第13条では、「すべて国民は、個人として尊重される」と述べており、介護保険法でも平成17年の改正で、介護保険法の目的に要介護状態となった高齢者などの「尊厳の保持」を明確化する趣旨が盛り込まれました。
■第一条
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
また、平成15年6月に提出された、高齢者介護研究会の「平成27年の高齢者介護(高齢者介護研究会報告案)」でも、「高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて」という副題が掲げられています。
このように、介護分野では利用者の尊厳の保持が重要と考えられていますが、それでは、尊厳とはどのような意味でしょうか。
各国語辞典などには、「尊厳とは、とうとくおごそかなこと、気高く犯しがたいこと」と書かれています。
したがって、「利用者の尊厳を保持する、支える」ということは、「利用者の持つ、とおとくおごそかなこと、犯しがたいことを保持する、支える」ということになります。
どちらの表現にしても抽象的ではっきりしないため、各現場で具体的な言葉や内容に置き換えることが必要です。
介護現場で話題となる尊厳は「利用者の尊厳」ですが、利用者の尊厳と同様に「介護者の尊厳」も守られなければいけません。
介護者には、家族のほか職員も含まれます。
今までは、利用者である高齢者や障害者の拘束・虐待などが注目されてきましたが、近年、利用者から介護現場で働く職員に対しての、暴力や性的嫌がらせの問題も顕在化してきています。
また、介護職の不足に伴い、職務内容に比べてあまりにも安い給与や過酷な労働条件などの問題も顕在化してきています。
利用者の尊厳の保持が大切なことは言うまでもありませんが、介護現場で働く職員の尊厳も同様に大切です。
【情報提供元】
■実践 認知症ケア1(一部抜粋)
https://www.dayshop.biz/products/detail/47
【認知症ケアについて学ぶ】
■介護職・看護師・リハ職のための認知症ケア集中セミナー
https://tsuusho.com/concentrate
■【オンライン】川畑智氏のそうだったのか!なるほど納得!認知症リハ・ケアセミナー
https://www.tsuusho.com/online_dementiareha
■認知症の人の行動と環境から考える!その人らしさを引き出すための具体的支援方法
https://tsuusho.com/conference/schedule/#1204_2
■認知症の方への自立支援の環境づくりから考える!施設を利用する方々が地域で活躍する仕組みとは!
https://tsuusho.com/conference/schedule/#1205_5
■認知症の方の生活改善につながるじりつ支援のアプローチ
https://tsuusho.com/conference/schedule/#1206_4