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認知症高齢者のBPSDとその対応

2025.09.29

認知症ケアにおいて援助者が「困難」と感じる場面は「行動へのかかわり」によるものが多く、「困難さ」とは、認知症の人の言動と援助者の心理との相対関係によって生じます。
また、認知症ケアにおける「困難さ」は、援助者の主観的な要因に影響されます。
試行錯誤しながら自らが持つ経験知をフルに活かしても状態が改善しなければ、「困難さ」はより一層深まり、BPSDがさらに悪化していくケースも少なくありません。
たとえ良くならない理由が援助者自身の対応に起因することであっても、それに気付くことはなかなか難しいのです。
こうした状況で、いくら新しい認知症ケアの手法を学習しても、課題を解決へとつなげるのは難しいものです。
なぜならば、知識として得た一律の対応を認知症の人に当てはめても、それぞれのBPSDは全く別の理由で生じていると考えられるため、根本的な解決に至らないことが多いのです。
援助者は、認知症の人の症状やBPSDなどに応じた方法ではなく、本人がその状態を引き起こしている背景や要因に着目し、それを分析していく視点の持ち方や考え方を重視することが不可欠になります。


「思考展開エリア」と呼ばれる8つの視点

この視点は、パーソン・センタード・ケアの中で述べられている「認知症の状態をつくる5つの要因」が基本となっています。


認知症の状態を作る5つの要因

[1]神経障害(アルツハイマー病や脳血管障害などによる)

[2]性格傾向(気質・能力・対処スタイル)

[3]生活歴

[4]健康状態、感覚機能(視力・聴力)

[5]その人を取り囲む社会心理(人間関係のパターン)


■思考展開エリアの8つの視点

[1]病気や、飲んでいる薬の副作用による影響

[2]身体的痛み、便秘・不眠・空腹などの不調による影響

[3]悲しみ・怒り・寂しさなどの精神的苦痛や性格などの心理的背景による影響

[4]音・光・味・匂い・寒暖などの五感への刺激や、苦痛を与えていそうな環境による影響

[5]家族や援助者など、周囲の人たちとのかかわり方や態度による影響

[6]住まい・器具・物品などの物的環境により生じる居心地の悪さによる影響

[7]要望・障害程度・能力の発揮と、活動とのズレ

[8]生活歴・習慣・なじみのある暮らし方と、現状の生活とのズレ


認知症の人は、何のために行動しているのかを自分で説明することができなかったり、歩き回っている間に当初の目的を忘れてしまうことがあります。
そのため、周りの人には言動の理由が理解できないということも少なくありません。
それでは、どのように対応することが必要なのでしょうか。


認知症のケアに携わる者(援助者)が抱える困難は、BPSDに起因することが多く、援助者自身が認知症の人の抱えている困難や課題に目を向けられないでいる場合が少なくありません。
しかし、このBPSDこそが、ご本人が周囲の人に助けを求めているサインなのです。
そのことに気付き、このサインを「本人からのメッセージ」ととらえて、今一度、ご本人の困難や課題の背景を知る努力をし、ケアを見直すことが必要不可欠だということが、ご理解いただければ幸いです。



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