研修内容
理論と実践が繋がるから本質的な認知症ケアの実践ができる
認知症ケアの現場において、「ケアの拒否」や「感情の混乱」に直面した際、どのように対応すればよいのか判断に迷う場面は少なくありません。
たとえ優しく声をかけたつもりでも、かえって症状を増悪させてしまうことや、ご本人の不穏な状態を引き起こしてしまうといった経験は、多くの現場職員にとって共通の課題です。
本セミナーでは、こうした場面で求められる「認知症のある方の行動や反応の背景を脳機能から理解する視点」と「その人の心情に寄り添った実践的な対応方法」について、理論と技術の両面から学びを深めていただき、多職種の専門性を活かしながら、認知症ケアにおける「理解」と「実践」を有機的に結びつけることを目的としています。
現場で繰り返される対応の試行錯誤から一歩進み、エビデンスと経験を融合した本質的なアプローチを学ぶことで、認知症のある方に対して「本当に届くケアとは何か」を再構築していただきます。
タイムスケジュール
※予定している内容は変更になる場合がございます
講座【1】[熊本]7月27日(日)10:00~12:30/[大阪]11月30日(日)10:00~12:30
認知症の方の脳と心に寄り添う!“拒否”や“混乱”の背景にあるもの
「急に怒り出す」「同じことを繰り返す」「なぜ?」
講師:川畑 智 氏(株式会社Re学 代表取締役/理学療法士/ブレインマネジャー)
認知症という言葉は知っているものの、認知症の症状を目の前にすると上手く対応できず、対応に時間がかかり現場がうまく回らなかったり、落ち着いてもらうつもりで関わってみたが結果的に症状を悪化させてしまった…。という経験はありませんか?私たちは「なぜ認知症の症状に振り回されてしまうのか?」その理由は、「理論的なケア」と「感覚的なケア」のアンバランスが原因です。認知症の症状の原因を理解し、早期ケアに繋げること、段階ごとに起こる症状を予後予測し、次に起こりうる症状に対する予測ケア・リハビリすることができる専門職になりませんか?
【内容】
・認知症の人が苦手になる記憶と、苦手になりにくい記憶
・認知症の人が苦手になりやすい記憶への対応方法(記憶の強化術)
・誤解とあいまいの中で生活する認知症の人が見ている世界
・生活に必要な認知機能とは?認知症の人が抱える当たり前の難しさ
・不安→不満→不信→不穏のマイナスの4ステップのサインを見抜く方法
・寄り添いと付き添いの違いと声掛けの方法
・消失能力と残存能力に見極めと活用方法
・チームケアとしてのアプローチの方法 ほか
講座【2】[熊本]7月27日(日)13:30~16:00/[大阪]11月30日(日)13:30~16:00
認知症との向き合い方!
理論と実践がつながる信頼関係の築き方と関わりの技術
講師:玉置 裕美 氏(公認バリデーション協会 バリデーションティーチャー/介護福祉士)
認知症の方が記憶を失われ言葉でのコミュニケーションがうまくできなくなった時、身体的にも社会的にも年を重ね喪失体験をされている認知症のお年寄りに、私たちはどのようにアプローチして寄り添っていけるでしょうか。なにを手がかりに不安や憤りに寄り添っていけばいいか、一見わからない行動もどんな気持ちで過ごしていらっしゃるのか。皆さんと一緒に体験していきたいと思います。
【内容】
・みんなどんなことで悩んでる?吐き出すことの大切さを学びシェアして解決
・目の前の方はどんな方?
・まずは観察
・感情を知るためにどこを観察していくか?
・認知症の方の現在の状態や局面を知り、その時に有効な基本的テクニック
・知っているけど難しい!?「共感」
・ポイントを押さえ、認知症高齢者に共感していこう
・言葉でのコミュニケーションが難しい方とのコミュニケーション
・言葉が話せなくなってもできることコミュニケーションとは
・初耳の方も安心!『バリデーション』とは
・認知症の方の好みの感覚を知り声掛けの幅を拡げよう ほか
【情報交換会】[熊本]7月27日(日)16:10~16:45/[大阪]11月30日(日)16:10~16:45
[参加自由]今日学んだ認知症ケアをいかに現場で実践するか?
研修の最後に、参加者のみなさんで気づきや学びを共有できる「情報交換会」を予定しています。今回のテーマは「今日学んだ認知症ケアをいかに現場で実践するか?」です。日々、現場で頑張っているからこそ出てくる悩みや、「これ、使えるかも!」という前向きなアイデアなどを講師や参加者同士でざっくばらんに話し合える時間です。参加は自由ですが、同じテーマで学んだ仲間と話すことで、「他の人はどうしてる?」「この方法、うちでもやってみたい!」そんな新しい気づきやヒントがきっと得られるはず。現場に戻ってからすぐに実践できるケアにつなげるためにも、この機会にぜひ気軽にご参加ください。そしてあなたの「現場の声」や「工夫」も、誰かのヒントになるかもしれません。
【内容】
・参加者からの質問
・講師からの提言
・オンラインでの実践フォローについて ほか
【対面研修終了後のオンライン実践フォロー】[熊本会場参加者]8月24日(日)13:00~17:00/[大阪会場参加者]12月21日(日)13:00~17:00
【内容】
「学んだことを、ちゃんと現場で活かせるかな…」そんな不安を感じたことはありませんか?今回の研修では、対面での学びを「やって終わり」にしないために、後日にオンラインでの実践フォローを行います。フォローアップでは、なんと対面研修を担当した講師がそのまま継続してサポートしてくれます。だからこそ、現場で感じた疑問やつまずきを、安心してそのまま相談できます。「やってみたけどうまくいかない…」「ここ、どう声をかけたらよかったんだろう?」そんなリアルな悩みも、同じように現場で頑張る参加者と共有しながら、学び直せる・深め合える場です。
また、この実践フォローは、研修終了後にもつながりを持てる「学びの仲間づくりの場」としても機能します。「一緒に学び、一緒に悩み、一緒に育てる認知症ケア」をここから始めてみませんか?