第23回日本通所ケア研究大会講師協賛企画インタビュー動画
[質問]
・ご利用者、家族の不満が大きくならないように小さな違和感に気付けるようになるためにはどうすればよいですか?
・信頼関係の作り方が「上手い人」と「そうでない人」の差はなんだと思われますか?
・「CLUE CARD」について教えてください
・コロナ前とコロナ後での介護現場の違いを感じることはありますか?
・ICT・ロボットが発達していく中で今後、介護現場での人の対応力はどうなっていくと思いますか?
気づく力が介護を変える…小さな違和感に気づき、信頼を育てる現場づくり
介護の現場で起こるクレームやトラブルの多くは、突然発生するものではありません。
その前には必ず、「あれ?」という小さな違和感が存在しています。
ご利用者やご家族の表情、声のトーン、あるいは職員同士の空気感…それらに早く気づけるかどうかが、信頼関係を守る大きな分かれ道になります。
不満が膨らむ前に、違和感に気づく
「小さな違和感を見逃さないこと」。
この姿勢が、ご利用者や家族との信頼関係を維持するための第一歩です。
「今日は少し元気がないな」
「いつもより話しかけづらい雰囲気かも」
そんな感覚を抱いた時、そのままにせず声をかける、共有する。
この小さな行動が、不満の芽を大きくする前に摘み取る力になります。
クレームを防ぐのは、マニュアルではなく“日々の気づき”です。
些細な変化に敏感でいることが、信頼関係の土台になります。
信頼関係を築くのが「うまい人」の共通点
「信頼づくりが上手な人」と「そうでない人」の差は、気づいたことをその場で行動に移せるかどうかにあります。
観察して終わる人と、言葉にして伝えられる人。
このわずかな差が、現場の雰囲気を大きく左右します。
注意や指摘ではなく、思いやりをもって伝える力こそが、信頼を生むコミュニケーションです。
「親しき仲にも礼儀あり」。
利用者との距離感だけでなく、職員同士でも節度と温かさを両立する姿勢が大切です。
「CLUECARD」で育む“気づき”と対話
カードゲーム「CLUECARD」は、介護を“利用者本位の視点”から見直すためのツールです。
「自分ならどう感じるか?」「してほしいこと・してほしくないことは何か?」
そんな問いをカードを通して対話することで、スタッフの内省力と共感力を自然に育てます。
3〜5人で行うワークショップ形式では、日々の業務では見えにくい“他者の感じ方”に気づき、多職種間の理解やチームビルディングにもつながります。
気づく力は、学ぶことで伸ばせる。
CLUECARDは、現場でそのきっかけをつくるための仕掛けなんです。
コロナが変えた現場と、人間関係の再構築
コロナ禍を経て、人間関係の希薄化を感じる職員も少なくありません。
以前のように気軽に集まったりする機会が減り、すれ違いが生まれやすくなりました。
その一方で、ICTやオンラインの活用が進み、情報共有のスピードは上がっています。
しかし、「人の心の機微」に気づく力だけは、やはり対話と関わりの中でしか磨けません。今こそ、人と人の仕事としての介護の価値を再確認する時期。
技術と心の両輪で現場を支える意識が求められています。
AI・ロボット時代にこそ、人の“感じる力”を
配膳ロボットや見守りAIが登場し、介護現場も変化の波の中にあります。
それでも、利用者のちょっとした表情やため息の意味を感じ取るのは、AIではなく、人の気づきです。
技術を拒まず、上手に取り入れながらも、“人にしかできないケア”を守り続ける。
その姿勢が、これからの介護現場を支える柱になります。
気づく力が、未来の介護をつくる
「気づく」「考える」「伝える」
この3つの積み重ねが、チームの信頼を育て、ケアの質を高めます。
丁寧な介護の文化は、後輩に受け継がれ、やがて自分自身が受ける介護の質へと巡っていきます。気づきは、現場をより良くするだけでなく、介護に関わるすべての人の幸せを支える力です。
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