
介護現場では、利用者対応は丁寧で印象が良い一方、休憩室などのクローズドな場に入ると愚痴・悪口が止まらないスタッフがいる。
表向きは愛想がよくても、裏で否定的な発言を続けるタイプだ。
こうした言動はチームの雰囲気を悪化させ、同僚の疲弊を招くため、管理者としては早めの介入が必要となる。
【1】なぜ愚痴・悪口が止まらないのか
問題行動の背景には、単なる性格傾向ではなく、次のような心理的要因が潜んでいる。
・自信のなさ
・承認されない不安
・誰かより優位に立ちたい気持ち
・職場や家庭のストレスの蓄積
愚痴・悪口は、本人が自身の不安や劣等感を“防衛反応”として外に出しているサインでもある。
つまり、問題行動の根底には「心の不安定さ」がある。
【2】絶対に避けたいNG対応
正論で押し返したり、感情的に叱責すると、状況は確実に悪化する。
「不満はあなたの努力不足では?」
「その態度は通用しません」
「嫌なら辞めれば?」
こうした言葉は相手の防衛心を刺激し、陰口や不満を一層エスカレートさせる。管理者が言ってはいけない典型例である。
【3】正しい向き合い方
重要なのは、相手の否定や評価を先に行わず、“不満の根っこ”を静かに聞き出す姿勢だ。
「日々の業務で、困っていることはありませんか?」「もし改善できるところがあれば、一緒に考えたいと思っています」。
このような柔らかく開かれた質問は、相手の心理的壁を下げ、建設的な会話につながりやすい。
管理者として“評価ではなく傾聴”を優先することが鍵となる。
【4】不満は職場改善のヒントになる
愚痴の背景には、組織面の課題が潜んでいるケースも多い。
・情報共有が遅い
・シフト負担が偏っている
・新人教育の負荷が特定の人に集中している
不満のすべてを肯定する必要はないが、“構造的な問題”が隠れていることもある。
ただし、「特定スタッフだけが得をする改善」は避けること。
「チーム全体の働きやすさにつながる改善」に絞って取り入れることが必須だ。
【5】噂話への適切な対応
噂話やゴシップは、現場の信頼関係を破壊する。
とはいえ、ストレートな叱責は逆効果で、反発やさらなる陰口につながる。
効果的な伝え方の例
「情報に気を配ってくれているのはありがたいです。ただ、プライベートに踏み込む話題は困る人もいるので、控えてもらえると助かります。」
ポイントは次の二つ。
・相手の“良い面”を認めたうえで伝える
・“私が困る”ではなく“周りに困る人がいる”と外的理由に置き換える
これにより、相手の防衛反応を最小化しながら、必要な線引きを伝えられる。
【6】まとめ
愚痴・悪口の多いスタッフの根底には、「自信のなさ」「不安」「承認欲求」が存在する。
管理者が相手を否定せず、丁寧に不満の背景を聴き取り、その内容を職場改善へつなげることが、介護現場のチームマネジメントにおける重要な第一歩となる。
“問題行動の背後にある心理”を理解したうえで対応できるかどうかが、現場の雰囲気と離職防止に大きく影響する。
【お役立ち研修】
次世代介護マネジメントフォーラム
https://tsuusho.com/managementforum
















