
【臨時介護報酬改定/2026年6月施行予定】
厚生労働省は2026年1月16日に「第253回社会保障審議会介護給付費分科会」を開催し、介護現場の人材確保と処遇改善を総合的に推進するため、令和8年度の介護報酬改定における処遇改善加算の拡充内容を明らかにしました。
本改定は2026年6月に臨時改定として実施される予定であり、従来の加算制度に上乗せ措置や評価要件の強化が新たに導入されます。
拡充の趣旨と背景
介護分野では慢性的な人材不足と賃金水準の低さが課題となっており、現行の処遇改善加算制度には一定の効果がみられるものの、人材確保・定着の観点では十分とはいえない状況が続いています。
こうした背景を踏まえ、政府は介護職員のみならず、介護従事者全般に対する処遇改善をより広く進めるため、臨時の介護報酬改定として加算の拡充を行う方針を示しています。
加算率そのものを引き上げることで、従業員一人あたりの賃金引き上げにつながる仕組みを強化するとともに、生産性向上や協働化の取り組みを評価する新たな区分を設け、現場の効率化と質向上の促進を図ることが狙いです。
改定のポイント
(1)既存区分の加算率引き上げ
既存の「加算Ⅰ」から「加算Ⅳ」まで、すべての区分で加算率を引き上げます。
これにより、介護従事者に対する実質的な賃金改善効果を高め、月額1万円程度のベースアップを目標としています。
(2)上位区分の新設:加算Ⅰロ・加算Ⅱロ
介護現場での生産性向上や協働化に取り組む事業所を評価するため、「加算Ⅰ」および「加算Ⅱ」に新たな上位区分である「加算Ⅰロ」「加算Ⅱロ」が設けられます。
これらの区分は月額7,000円相当の上乗せ加算として評価される予定です。
取得要件の強化と評価ポイント
訪問系・通所系サービス
・「ケアプランデータ連携システム」への加入が取得要件となります。
・ケアマネジメントの効率化やデータ共有の促進、さらに事業所間の連携強化を評価する狙いがあります。
施設系サービス
・既存の「生産性向上推進体制加算」の取得が要件となります。
・同加算はテクノロジー活用や業務改善の取組状況を評価するものであり、Iロ・IIロの評価内容と整合性を持つ仕組みです。
※特例措置(令和8年度限定)※
介護現場の事務負担に配慮し、令和8年度中は「誓約書(事後対応の約束)」を提出することで、要件を満たす前でも区分を取得できる特例が設けられる見込みです。
これは、現時点で実施が不十分な場合でも、後から整備する前提で算定を認める柔軟な対応です。
賃上げインパクトの見込み
今回の処遇改善加算の拡充によって、以下の3要素の合算効果が期待されています。
・加算率引き上げによるベースアップ(約1万円)
・上位区分(Ⅰロ・Ⅱロ)による上乗せ加算(最大7,000円)
・定期昇給分(約2,000円)
これらを合わせ、最大で月額約19,000円の賃上げにつながる見込みです。
実施スケジュールと今後の予定
施行時期:2026年(令和8年)6月
厚生労働省は今後、関連通知やQ&Aを順次発出し、具体的な算定手続きや様式の詳細を示す予定です。
令和8年度 臨時改定:処遇改善加算 加算率一覧
※加算率:介護報酬本体(加減算前)に対する割合(%)
※★は介護予防サービスにも同率が適用されます

補足事項(加算体系のポイント)
・既存サービスは従来の「Ⅰ〜Ⅳ」に加え、上位区分として「Ⅰロ」「Ⅱロ」を新設しています。
→生産性向上や協働化の取り組みに応じて上乗せ加算が付与されます。
・訪問看護などにも処遇改善加算が適用されます。
→これまで加算対象外だったサービスにも適用範囲が拡大します。
・介護予防サービスにも同率の処遇改善加算が適用されます。
→予防系サービスに対する処遇改善も一体的に進められます。
【情報提供元】
厚生労働省「第253回社会保障審議会介護給付費分科会」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68247.html
【お役立ち研修】
次世代介護マネジメントフォーラム
https://tsuusho.com/managementforum
















