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デイ利用中に「かばんがなくなった」と訴えるEさん(1)

2025.01.28

Eさん(女性)・アルツハイマー型認知症

●記憶障害は見られるが初期の状態であり、全く覚えられないわけではない

●日常生活はほぼ自立


デイ利用時は、スタッフがEさんのかばんを荷物棚に片付けるようにしています。
玄関でEさんからかばんを預かったスタッフが、「荷物棚に入れておきますね」と声を掛けると、Eさんは「すいませんね、お願いします」と返事をされます。
Eさんが「かばんがなくなった」と訴えるときは、荷物棚に案内し、かばんがあることを確認してもらいます。
すると落ち着きますが、しばらくするとまたソワソワし始め、同様のことが繰り返されます。
訴えにスタッフが気付いてすぐに対応すれば大きなトラブルにはなりませんが、スタッフが気付かないときは、かばんを探しながら「もしかしたら○○さんが盗ったのかも」とほかのご利用者に話すので、何人かのご利用者を巻き込んでトラブルになることもあります。


“どうすればEさんが覚えていられるか”を考える

「覚えられない」という記憶障害の特徴はあるものの、Eさんの認知症はごく初期の状態で、デイでの活動を覚えていることも多くあるため、「どのようにしたらEさんがかばんを荷物棚に置いたことを覚えていられるか」を検討することにしました。
「自分だったらどうだろう」と考えたところ、あるスタッフから「スタッフが片付けるのではなく、自分でやってもらったら良いのでは?私たちも居酒屋で座敷に案内されると靴を脱ぐでしょ。靴を下駄箱に片付けるとき、どこに置いたら帰りに見つけやすいか(覚えていられるか)を考えながら場所を決めるしね。ちょっと高級なお店だと、店員さんに『こちらで片付けますので、靴はそのままで…』と言われて、嬉しい反面かえって不安に感じることもあるのよね」という意見があり、ほかのスタッフも頷きました。
かばんをEさん自身に片付けてもらうようにしたところ、Eさんは荷物棚全体を見渡して考える素振りを見せた後、一番上の右端に置きました。
そして、その日は一度も「かばんがなくなった」という訴えがありませんでした。
スタッフが「かばんはどこですか?」と聞くと、「一番高いところに置いたから大丈夫。盗られることもないわ」と嬉しそうに話されました。


私たちは玄関でご利用者からかばんなどの持ち物を預かり、そのまま荷物棚に片付けがちです。
その方が私たちのペースでできるし、楽だからです。  
「もし自分だったら」と考えてみてください。
例えばドライブするとき、運転する人と助手席に座っている人、どちらが道を覚えやすいでしょう。
もちろん運転する人ですよね。
座っているだけの人より、行動した人の方が覚えられるはずです。普段の介護技術も同じです。
先輩がしているのを何回見ても、いざやってみるとうまくできません。
自分でやらないと覚えられません。
自分たちの仕事のしやすさを考えるあまり、そんな当たり前のことを忘れてしまうこともあるのです。
「認知症」を理解するのと同じぐらいに大事なのが、「人」を理解する視点なのです。


【情報提供元】

認知症ケア最前線

https://dayshop.biz/

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