デイはビジネスの性質上「利用者がいつ病院に入院するか分からない」「いつ急変があって利用が中止になるか分からない」といった不安に常に振り回されることになる。
したがって、今の利用者(既存客)だけで日々の売り上げを確保し続けることは、経営上とても大きなリスクになる。
スタッフに対して「売り上げアップの方法は?」と問い掛けてみてほしい。
「良い介護をする」「個別対応で利用者様のご要望にお応えする」と回答するスタッフが多く、経営者であれば、一度はこのような回答を耳にしたことがあるのではないだろうか。
一見正しいことのように聞こえるが、このような回答を誠実に実行するだけでは不十分だ。
ライバル事業所も同様の発想を持っているため、あまり売り上げに大きく影響することはないだろう。
デイ稼働率向上につなげる! 売り上げアップの公式
デイの売り上げアップを考えるならば、もっとシンプルに次の3つの方法を実行することが必要だ。
デイの売り上げアップのポイント
(1)新規利用者を増やす
(2)一人当たりの単価を上げる
(3)リピート頻度を増やす
今も昔もこの3つを実行することで売り上げはアップし、稼働率も向上していく。
そしてこの3つの方法を公式にすると次の通りだ。
売上=お客様の数×一人当たり単価×リピート頻度
※お客様の数…最も効率的に売上を伸ばす要素になっている
※一人当たりの単価…介護報酬が上がることを期待できる状況ではない
※リピート頻度…支給限度額を超える利用は利用者の自費になってしまう
自分たちが自信を持って良い介護を実践していたとしても、上記3つのいずれかに該当しなければ売り上げが上がることはない。
そして、売り上げ・稼働率アップに最も効果的な活動が(1)新規利用者を増やすであり、そのために必要なのがケアマネ営業だ。
もちろん(2)一人当たりの単価を上げる、(3)リピート頻度を増やして売り上げアップを図ることは不可能ではない。
しかし、国が定めた基本報酬の単価が決まっている以上、どのデイも同じ規制の上での競争となる。
利用価格を割り引くなど、安売りでライバルと競争することは現状では困難だ。
また、利用者のリピート頻度(回数)のアップを図ったとしても、仮に要介護度1の利用者に必要だからと説得して週3回のデイ利用を促したり、利用限度額オーバー分を自費で支払ってもらおう、などと考えることは当然ながらお勧めできない。
こう考えてみると最も売り上げ貢献度の高い(1)の新規利用者を増やすためのケアマネ営業を追及することが、いかに大切なことかお分かりいただけるだろう。
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