原因【1】
認識力が低下している
段差や障害物に気付かずつまずいたり、安定性のないイスに体重をかけるなどして転倒してしまいます。
[対策]
段差・通り道などを分かりやすくする
段差のあるところに目立つ色のテープを貼るなどして、段差を認識しやすくします。
原因【2】
体幹の回旋が苦手
高齢になると、「体幹の回旋」「重心移動」の機能が低下し、転倒しやすくなります。
(例)
・歩こうとして足が前に出ず、バランスを崩して転倒する
・風船バレーで頭上を通りすぎた風船をたたこうとして、イスごと転倒する
・ベッドから車イスへの移乗中に転倒する
[対策]
声を掛けるときの位置にも注意
歩行中に横や後ろから声を掛けられると、振り向いたときに大きくバランスを崩し、転倒しやすくなります。
「認知症の人に声を掛けるときは、前から」を基本としましょう。
原因【3】
とっさに手が出ない (保護伸展反射の低下)
認知症の人の顔に、内出血のあざがたくさん残っているのを見たことはありませんか?
これは、転倒したときに顔から床にぶつかってしまう「顔面制動」が起こるためです。
顔面制動は、転倒時に体を守るのに役立つ「保護伸展反射」が出にくくなっていることが原因で起こります。
[対策]
保護伸展反射を引き出すトレーニングをしよう
(例)
・畳の上を四つ這いで移動
・壁に手をつく(壁の前に立った状態で体重を前にかけ、壁に手をついて止まる練習)
原因【4】
自分の身体に対する認識力が低下する
認知症の人は身体の認識が低下しているため、ものにぶつかったり足を引っ掛けたりしやすくなります。
特に、自分の足よりも大きいスリッパや靴を履いていると、障害物に足を引っ掛けやすくなります。
(例)
・身体の幅を正確に認識できず、イスの座面が半分空いた状態で座る
・肩幅を正確に認識できず、柱にぶつかる
・スリッパを履いた足の前後の長さを正確に認識できず、階段で足を踏み外す
[対策]
身体への認識力を高めるトレーニングをしよう
・「つま先・かかとをトントン」
つま先・かかとで床を軽くトントンとすることで、足全体の長さを意識できる
・「机に左右の腰を当てる」
両側に置いた机に、腰を左右交互に当てて体の幅を認識する
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