会長:妹尾弘幸の報告
2020年12月9日(水)に「第196回介護給付費分科会」が開催されました。
今回のテーマは下記について主に話し合われました。
【1】認知症グループホームの夜勤3ユニット2名で可能とする
【2】特養ユニット型の定員を10名から15名に増員する
【3】見守りセンサー等導入による人員基準緩和
→(1) 特養夜勤職員基準…25人以下夜勤1名を30人以下夜勤1名など
→(2)夜勤職員配置加算…100%導入時 夜勤者最低基準に加えユニット型の場合0.6とする(特養、老健)、15%導入を10%導入に緩和0.9人(特養、老健、介護院、グループホーム)
【4】令和3年度介護報酬改定に関する審議報告書案について
でした。
前回に引き続きICT活用による人員基準緩和について、賛否が分かれました。
各委員はICTの導入による効率化などには反対はしていませんが、人員基準の緩和については、経営サイドである特養、老健協会は賛成、労組や家族の会、職能団体などは反対という立場をとっており、これについては引き続き議論がされていきます。
また、審議報告書案で、リハビリ、機能訓練については、以下のように書かれています。
リハビリテーション・機能訓練
(1)リハビリテーションマネジメント加算の見直し
ア)リハマネ加算(Ⅰ)介護予防のリハマネ加算廃止
イ)リハマ加算(Ⅱ)(Ⅲ)の評価見直し
(2)退院・退所の日から3カ月以内は週12 回まで訪問リハ算定可能
(3)社会参加支援加算の名称を「移行支援加算」に改名し、計算式と回転率について見直し
(4)生活行為向上リハ加算は、継続利用の減算を廃止し、階段状単位数を単一化
(5)リハ計画書と個別機能訓練計画書の書式項目の共通化、リハ固有の項目について簡素化
(6)生活機能向上連携加算 ICT活用等の場合について評価新設
(7)通所介護の個別機能訓練加算のⅠ、Ⅱの統合
イ)人員配置について…機能訓練指導員の専従1名以上(配置時間帯の定めなし)
ロ)機能訓練項目について…柔軟に設定することを可能
ハ)対象者・実施者について…5人程度以下の小集団又は個別、訓練指導員が直接実施
二)イに加えて専従1名以上を提供時間帯を通じて配置した場合の上位加算区分新設
キ) CHASE へのデータ提出を評価する新たな区分を設ける。
(8)入浴介助加算の見直し
個別の入浴計画、個別の入浴介助を評価 現行の加算区分については評価の見直しを行う。
これらについては大きな異論は出ませんでした。
どうなる!?ICT等の活用による人員基準緩和
ICT活用による人員基準の緩和では、夜勤職員配置加算で見守りセンサーなどを100%導入した場合に0.6人分の増員で1人増員したとみなす基準緩和や、6:1の人員配置が7:1で良くなるといった基準緩和の是非が問われています。
少ない調査数
その根拠となる資料で奇異に映るのが、「8件」「5件」「2件」などの極めて少数の事例を元に制度を構築しようとしていることです。
(資料棒グラフ左側の数字などを参照)
調査母数が少ないということは、何人かの委員からも意見として出ていました。
関係団体からの思惑が強いのかもしれませんが、センサーによる人員基準緩和で、勤務者数や夜勤者数が減り現場の心身負担が増したり虐待や重大事故・事件が発生したりすれば、職員不足が益々激化することになってしまいます。
いずれにしても、当事者である現場の介護職員の生の声が聞かれないのが気になります。
そのほか私が気になったことについては「管理者&リーダー(だよりね)」にて記載しておりますので、ぜひご確認ください。
【情報提供元】
■第196回社会保障審議会介護給付費分科会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15275.html
■管理者&リーダーオンライン
【制度改正・報酬改定の最新情報を学ぶ】
■介護報酬・介護制度改定への対策とこれからの介護セミナー
https://www.tsuusho.com/junkai