麻痺の訓練に固執する背景
麻痺の訓練に固執してしまい、活動・参加になかなかつながらない人は、脳卒中片麻痺後の障害の受容ができていない場合があります。
障害の受容過程は「ショック期」「否認期」「混乱期」「解決への努力期」を経て、「受容期」となり、障害を克服していきます。
また、障害受容は上肢能力や人生への満足が強く影響しており、障害受容の過程や期間は人によりさまざまです。
かかわり方のポイント
まずは、本人を説得するのではなく、相談相手となり悩み・不安・心配事などの思いを話してもらい、受け止める信頼関係を築き上げることが必要です。
その上で、配偶者・子どもの支えや、同じ障害を持った人とのつながり・交流により、気持ちが安定し、前向きに努力するようになります。
また、介護者の心理的負担、孤独感、障害への不安を和らげることも重要です。
障害を強みととらえ主体性を引き出す
生活期になると、集中したリハビリの機会がなく、麻痺により思うように動けない焦りや不安が出てきます。
麻痺側への訓練の希望が強い方へも、受動的な訓練のみでなく、徐々に能動的な訓練につなげて主体性を引き出し、「障害があってもこれならできる」と気づきを促していきます。
自分の障害を弱みととらえるのではなく、強みや前向きにとらえられるよう支援します。
セラピストも、訓練を漫然と継続するのではなく、心身機能・活動・参加へバランスよく働き掛け、現状を受け入れ障害と共存していく方法を支援する姿勢が大切です。
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