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ご利用者に「活動と参加」に関心を向けて もらうための工夫と対応

2020.08.06

通所系サービスに通う利用者の中には、身体機能の改善や訓練すること自体が目的になっている方がおられます。

体を鍛えることは悪いことではありませんが、せっかく行っているその訓練が実生活には反映されないこともよくあります。

そのような場合、利用者のご家族から「主人は施設では頑張っているようですが、自宅では何もせずに寝てばかりいるんですよ」など、訓練の実施状況と自宅での生活の実態に相違があることもよく聞きます。

その背景には自宅での役割消失と、それに伴う意欲の低下、やりたいことの不明確さや諦めがあります。

さらに、セラピストのニーズ聴取不足による曖昧な目標設定や訓練の実施等があります。

このような状況の分析・解決ができていないと、「活動と参加」をいくら促しても実施することは困難です。

施設での訓練が本人の生活にとって意味があり、楽しみのある活動と結びつき、「活動と参加」の向上が見られるような対応・方法、専門職としての視点や考え方のほか、現状の分析やアプローチ、工夫などについて考えたいと思います。


「活動と参加」が促進されない原因を考える

訓練を提供する前に、本人の気持ちや考え方について聞き取り、「活動と参加」が促進されない原因を探る必要があります。

その原因には、心身の状態が影響している場合と、本人にかかわるセラピストや周囲の環境が影響している場合があります。

まずは、本人と本人以外の要因を区別して考えましょう。

次に、物事の考え方には、内的統制と外的統制の2タイプがあります。

物事に対して自分のせいであるか、他人のせいであるかと考える思考のことです。

人は課題に対して内的統制の思考を持たなければ、問題解決をすることはできないといわれています。

例えば、「一人で食事の準備・片付けができるようになりたい」「一人で入浴できるようになりたい」などの目標を立てた際、施設で過介助・過剰なかかわり方をすると、本人のでき得る活動の機会が奪われ、目標に対しての心身機能を生かした活動が減り、さらに考える機会も減少するために、役割・意欲の低下へとつながっていきます。

このようなかかわり方では内的統制の思考は身に付きません。

だからこそ、内的統制の思考が身に付くように、本人ができることはできる限りしてもらいます。

例えば、食事は準備から片付けまで自分でしてもらうなどです。

活動することで考える機会も増えるほか、取り組んでいる姿を見たスタッフ・他利用者から「すごいですね」と声を掛けられたり、「できるんだわ」と承認されるようになります。

また、その姿が「○○さんのように頑張りたい」と他利用者を勇気づけることにもなります。

さらに、施設と自宅でのできる活動の相違をなくしていくことで、自宅での役割ややりがいにもつながっていきます。

活動を継続することで、本人は課題に対して「どのようにしたら楽にできるか?」と考える機会が増え、思考は内的統制へ変化しやすくなります。


【情報提供元】

■リハージュvol.1(一部抜粋)

https://dayshop.biz/products/list?category_id=114


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