不安な気持ちが自分を成長させてくれる!
私自身、入職時PT1名、OT1名の職場環境でしたので、とても不安な日々でしたが、振り返ると、この時の不安な気持ちが、自分を成長させてくれたことは間違いありません。
一人の職場でもうまくやっている職員の方は失敗しないために報告・連絡・相談を忘れませんし、コツコツ学んでいるような印象を受けます。
一人の職場でも、療法士が多い職場でも、不安や疑問も持たず働く療法士と、不安を感じながら模索する療法士、どちらが成長するかは言わずとも答えは分かりますね。
私自身入職当初、急性期・回復期を持つ総合病院で、新人教育研修・リーダー研修など充実した職場環境で働く療法士をうらやましく思った時期がありました。
しかし、一人の職場でも、先輩が多い職場でも「働き方」を身に付けていれば、必ず人は成長できると考えています。
[質問]
OTが自分一人なので、職場でリハの専門的な相談ができる相手がいない。利用者にあったリハビリをしっかり行えているか不安。どうしたらいいでしょうか?
[回答]
成長できる「働き方」の3つのポイントを押さえる
[1]行動を起こす
あなた自身が考える「地域になくてはならない理想のリハビリ施設」をできるだけ具体的に書き出してください。
同時に「現実」を知ることができます。
分析する際には、「客観的な評価 → 統合・解釈 → 目標設定(長期・短期) → 治療プログラム立案 → 実施」という療法士が普段実施している工程と同じようにしましょう。
「現実」を知ることができると、何から始めれば良いのか明確になり、視野が広がって、多職種へ「理想」の共有を求めるアプローチが始まります。
その際、「理想」を受け入れていただけない場合もありますが、お互いの「理想」を対話し、向かうべき方向をそろえてください。
多職種の思考プロセスを知り、向かうべき方向がそろえば、利用者の在宅復帰率は上昇し、充実した在宅生活の継続支援ができる職場環境へと変化していきます。
[2]施設外で人とつながる
近隣の研修会に参加して、周辺施設の療法士や多職種と交流する機会を増やしましょう。
同じ悩みを抱えた人と交流することで、解決策のヒントが得られるかもしれません。
また、各地区や全国の研修会、各種学会への参加や発表など行動範囲を広げていきましょう。
デスクで行う文献検索も、諸先生方とのつながりの一つです。
さまざまな工夫やアイデアが生まれる機会が増えます。
また、近年「人とつながる」ソーシャルコミュニケーションを活用し、Facebook、Twitter、Lineなど用途を使い分けて活用することもお勧めします。
こうして、さまざまな場面で「人とつながる」ことで、自分が何に悩んでいるのかを明確にし、解決するための思考プロセスについて、諸先生方のご意見を伺うこともできます。
[3]仕事に没頭する
スポーツ選手を考えてみましょう。
いつも不安と戦い続け、スランプに陥った際は、これまでのことや今後のことを考えず、「目の前の一つのプレーにだけ集中すること」を指導されています。
我々の仕事も同じです。
目の前の仕事に集中し、没頭することができる人は成長しやすいと考えられています。
悩んだときには、「没頭すること」を続ければ、より高度な「フロー体験」※を重ねることによって、より早い高度な成長となると考えられます。
※フロー体験
ミハイ・チクセントミハイという心理学者が提唱したもので、時間を忘れて何かに没頭し精神的に集中している状態のこと
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