ご利用者のJさんは、デイルームを出て外の畑に行ったり、ほかのご利用者が休んでいる部屋をのぞくなど、一人で歩き回ることが増えてきました。
ご飯を食べているときや職員の手伝いをしているときは落ち着いていますが、「ここに座っていてくださいね」と声かけをしても、数分後には再び歩き回ります。
どうしてJさんは、一人で歩き回るようになったのでしょうか?
Jさんの本当の気持ちを考えてみましょう。
落ち着かない理由に着目する
一見、Jさんは当てもなく歩き回っているように見えます。
しかし、何かをしているときや職員が声かけをしたときは落ち着いていることに着目すると、解決のヒントが見えてきます。
「疾患」という視点
何をしたらいいか分からない
中核症状の実行機能障害により、自分が何をしたらいいか分からず、歩き回ってやることを探しているのかもしれません。
「人」という視点
何かをしたいがやることがない
手持ち無沙汰な状態が続くのがつらく、何かやることを探していたのかもしれません。
ご利用者の関心を引くことを提案する
何かをしたいけれど何をしたらいいか分からず、不安を感じているJさんの気持ちに寄り添いましょう。
安心して過ごせるよう、興味を持って取り組んでもらえることを提案することが大切です。
※以前は目的なく歩き回る(徘徊)と考えられていましたが、現在は認知症の人が歩き回るのは、「その人なりの目的がある」と捉えられています。
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