
グレー職員は問題職員ではないが、介護・福祉現場を確実に疲弊させる
介護・福祉の現場では、「明らかな問題職員」よりも、対応に悩む存在がいます。
それが、いわゆるグレー職員です。
就業規則に明確に違反しているわけではない。
業務も一応はこなしている。
しかし、現場には常に小さなストレスや違和感を残し続けている。
管理者であれば、一人や二人は思い当たるのではないでしょうか。
介護・福祉現場だからこそ表面化しにくい問題
介護・福祉の現場は、人手不足が慢性化しています。
「多少のことには目をつぶらなければ回らない」「辞められると困る」などこうした事情から、グレーな行動が黙認されやすい土壌があります。
しかし、介護・福祉の仕事はチームで成り立つ仕事です。
一人の行動が、利用者ケアの質や職員同士の連携に直結します。
だからこそ、グレー職員の影響は、静かに、しかし確実に広がっていきます。
グレー職員を放置した現場で起きること
最初に疲弊するのは、真面目に働いている職員です。
・時間を守って出勤している
・利用者や家族への対応に気を配っている
・忙しくても報告、相談を欠かさない
こうした職員ほど、「なぜあの人は注意されないのか」「自分だけが我慢しているのではないか」という不公平感を抱きます。
介護・福祉現場では、この不満が表に出にくいのも特徴です。
我慢強い職員ほど、声を上げる前に離職を選びます。
結果として、現場には残った人ほど負担が増えるという悪循環が生まれます。
介護・福祉現場でよく見られるグレー職員の類型
[1]勤怠不良型
始業ギリギリの出勤、慢性的な遅刻、休憩後に戻らない。
「渋滞」「電車遅延」が常套句になっているケースです。
シフト制の現場では、他職員の負担が直接増えます。
[2]業務姿勢・報連相不足型
業務はこなすものの、態度が悪く、報告や相談がない。
申し送りが不十分になり、事故リスクやクレームにつながることもあります。
[3]ハラスメント予備軍型
特定の職員にだけ厳しい、性別や立場で対応が違う。
明確なハラスメントと断定できないため、見過ごされがちですが、現場の空気を悪化させる要因になります。
[4]SNS・私生活問題型
個人情報は出していないものの、事業所内部の不満や出来事を匂わせる投稿。
利用者・家族からの信頼を損なうリスクがあります。
なぜ「グレー」のまま放置されるのか
多くの管理者は、問題に気づいていないわけではありません。
しかし、以下のような理由で対応を先送りしがちです。
・人手不足で強く言えない
・感情的な対立を避けたい
・他にも対応すべき課題が多い
・自身も現場に入り余裕がない
これらは、介護・福祉現場では極めて現実的な事情です。
ただし、「対応しない」という判断もまた、現場に対する一つのメッセージになっていることは意識する必要があります。
管理者に求められる視点
グレー職員への対応は、叱責や感情論ではありません。
重要なのは、組織としての基準を明確に示すことです。
・どの行動が求められているのか
・何が現場のルールなのか
・利用者ケアにどう影響するのか
これを事実と行動ベースで伝えることが、介護・福祉現場のマネジメントには不可欠です。
グレー職員は、自然には改善しません。
そして放置された違和感は、必ず現場全体に影響します。
介護現場の管理とは、人を排除することではありません。
利用者の安心と、職員が安心して働ける現場を守ることです。
「問題職員ではないから」と目を逸らすのではなく、小さな段階で向き合うことが、結果として現場を守ることにつながります。
【お役立ち研修】














