失行とは
失行とは、関節可動域や筋力などの運動機能レベルから判断すると、「その活動・行為ができるはずなのに、大脳皮質の障害により、活動・行為がうまくできなくなった状態」を指します。
(1)構成失行
パズルの模倣など立体構成がうまくできない。空間的操作の障害。
(2)観念運動失行
自動運動は可能だが意図的運動が困難、単一物品の使用が困難。
(3)観念失行
お茶を入れる、歯を磨くなどで、個々の動作は可能だが、一連の動作が困難となる。
(4)着衣失行
手足の動きに問題があるわけではないが、服を着ることができない。
(5)歩行失行
麻痺などがあるわけでもないのに、歩くことができない。
遂行機能障害とは
遂行機能とは、目的を持った一連の活動を有効に行うのに必要な機能で、下記の4つの要素からなります。
(1)目的設定
(2)計画立案
(3)計画実行
(4)効率性・効果検討
遂行機能障害とは、上記の要素のいずれか、もしくはすべてが障害された状態で、以下のような症状が出現します。
■行動開始困難
→ある目的を持った行動を開始することが困難
■活動・認知の転換困難
→ある行動から他の行動へ移ることが困難
■活動維持困難
→すぐに活動をやめてしまう
■活動中止困難
→同じ行動をずっとし続ける
■脱抑制
→我慢が利かない
■修正困難
→間違っていると分かっていても直せない
遂行機能障害へのリハビリ
●問題解決訓練
「問題を分析し、解決の方法を見つけて工程を分割化、誤りの検出と是正」を練習する
●自己教示法
目標、実行手順、実際の行動を言葉で言う→内言語化する
●ゴールマネジメント訓練(GMT)
現況評価とゴールへの意識付け、ゴール設定、ショートステップ化、ゴール・短期ゴールの把握、実行、チェック
●機能適応法
目標課題を練習する
●環境調整
障害物・阻害物の除去 ほか
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