全職員・利用者・家族で防犯意識の徹底を
近年、訪問介護や送迎などで利用者宅を訪れた介護職員による金銭・通帳・カードの窃盗事件が全国各地で頻発しています。
職員による犯罪行為は、利用者やご家族の信頼を大きく裏切るものであり、介護事業の根幹を揺るがしかねません。
以下に最近の代表的な事例をもとに、注意喚起と防止対策をしてみてください。
発生事例(2024~2025年)
・送迎時に利用者宅へ侵入し、13万円を窃取(奈良県)
→デイサービス職員が送迎時に利用者宅の鍵を預かり、室内に侵入して現金を盗み逮捕。防犯カメラで犯行が発覚。
・認知症女性宅で現金を盗んだ疑い(京都府)
→アパートで介護業務を行っていた職員が、認知症高齢者の財布を盗んだとして逮捕。本人は否認。
・キャッシュカードを使用し628万円を不正引き出し(千葉県)
→訪問先の女性から預かっていたカードと暗証番号を利用し、多額の現金をATMから引き出していたとされる。
・訪問介護中に通帳を盗み、複数回に渡り引き出し(熊本県)
→通帳を持ち出し、複数回の引き出しで80万円超の不正出金が判明。
・たった800円でも検挙された例も(佐賀県)
→訪問先で利用者のバッグから800円を抜き取った職員が、家族の通報で逮捕。
犯罪を未然に防ぐために
<職員向けの防止策>
・他者の財産への不正行為は「重大な犯罪」であり、厳しく処罰されます
・金銭を扱う業務はできるだけ避け、やむを得ない場合は複数人での確認体制を整えること
・職場に貴重品・多額の現金を持ち込まない
<利用者・ご家族へのお願い>
・現金・通帳・カードなどの貴重品は見える場所に置かない
・暗証番号の共有やカードの預け入れは絶対にしない
・不審な金銭の減少があれば、すぐに家族や事業所に報告を
訪問だけでなく、デイ・入居施設でも徹底を
「訪問介護時」だけでなく、デイサービスや入居施設でも同様の注意が必要です。
日々の信頼関係を守るためにも、今一度、全職員・全利用者で防犯体制を再確認しましょう。
介護現場の「信頼」は、一人ひとりの行動にかかっています。
利用者の安心安全を守るため、私たちは「疑われない」「疑わせない」環境をつくる努力を続けていく必要があります。