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過剰介護の回避

2021.01.05

介護予防の普及とともに、「過剰介護は良くない」という考え方が広く認識されるようになってきました。

しかし、現場でその時その時に本人の残存機能を正確に把握し、必要最小限のケアを提供することは、とても難しいものです。


職員の意識を改める【職員中心の思考を改める】

介護をしていると、つい自分たち介護職員中心の視点になりやすいので注意が必要です。

例えば、「○○の方法だと早く終わる」「○○すれば楽にできる」といった視点です。

これらは、意識しないうちに介護での優先事項が「早く終わること」「効率的に進められること」になり、やがて「職員がした方が早く終わる」という過剰介護へとつながっていきます。

職員(介護者側)の腰痛予防介護も流行っていますが、もし学習するのであれば、職員が第一とならないように注意してください。

介護の王道は「自立支援の介護」です。「持ち上げない」「腰痛予防」なども大切ですが、それは自立支援の介護を行う後に来る視点です。


利用者の意識を改める【「お客さん」思考を改める】

介護保険では自己負担があるため、利用者自身も「お金を払ってサービスを受けている」という考え方が出てきやすいものです。

そのため、「お金を払っているのだから、これくらい職員がするのが当たり前」「同じお金を払っているのだから、たくさん職員にしてもらった方が得」といった「お客さん意識」が生まれ、それが過剰介護につながることも多いようです。

ある意図を持って、本人ができること以上のサービスする場合は別ですが、基本的には「自分のためにも、自分ができることは自分ですることが良いことだ」という意識を持ってもらうことが重要です。


過剰介護の論点【何を大切にするのか…夫婦の愛か、リハビリか】

自立支援や過剰介護の予防は大切ですが、これらは、本人の豊かな生活の実現や充実した人生の実現を目的として行われなければなりません。

したがって、本人の豊かな生活、充実した人生の実現に寄与することがあれば、そちらが優先されることもあります。

例えば、入所している夫のところへ久しぶりに妻が面会に来たとします。

面会中に妻が夫にフルーツの皮をむいて食べさせているのを、あなたが見たとしたらどう思うでしょうか。


「頑張れば一人で食べることができるので、リハビリのためにも自分で食べさせてください」


と言うか


「久しぶりの夫婦水入らずの時間だから、お互い甘えたり、甘えさせたりするのも良いこと」


と考えるか、どちらでしょうか。

生活・人生を支援する介護は、そのときの状況に合わせて臨機応変に対応する必要があります。


【情報提供元】

■ケアの視点とケアプラン(一部抜粋)

https://www.dayshop.biz/


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