基本的に杖は左右片側、歩行器把持は両手となりますので、片麻痺や一側上肢の器質的問題で片手しか使えない方は、杖による対応となります。
ただ同時に、1本をつく杖の場合は、「杖を前に運ぶ瞬間」は支持なしとなります。
それでもよいかどうかは、片手しか使えないという条件とは別に、「歩行動作時の体幹の姿勢制御が行えるか?」が問題になります。
「座位において体幹重心の左右移動が十分にできるかどうか?」が目安の一つとなります。
座位において左右の重心移動が十分に行えるならば、杖が使えると判断できます。
座位重心左右移動が不十分にしか行えないのに、片手しか使えない(片手の1本杖や4点杖、ロフストランド杖では歩行の安定が得られない)となると、「片手で押し進める歩行車」(ワンハンドウォーカー)が適応となります。
1本杖で不十分ならば、4点杖が次の候補となりますが、基本的に4点杖は身体をしっかり起こして4点杖を身体の横につくというよりは、やや体幹屈曲姿勢の方がやや前方につくという使い方が適応となることが多いようです。
歩行器でも「4輪か?」「4輪に制動がかけられるタイプがよいか?」、また、「4輪歩行車では重心の前方崩れ=歩行車のみの突進現象が起こり危険ではないか?」についての判断は、座位における重心の前後移動が十分にできるかどうかが判断の目安になります。
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リハージュ
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