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第185回社会保障審議会介護給付費分科会を傍聴して

2020.09.14

会長:妹尾弘幸の報告

2020年9月14日(月)に「第185回介護給付費分科会」が開催されました。

今回は、「介護の質の評価と科学的介護の推進」「リハビリテーション・機能訓練等」「口腔・栄養」「重度化防止の推進等について」の4点に焦点を当てた【自立支援・重度化防止の推進】がテーマでした。

※あらかじめ断っておきますが、文章内容はあくまでも私の個人的かつ勝手な感想・考えでありますのでそのつもりで読んでいただければ幸いです。


■介護の質の評価と科学的介護の推進

(1)VISITへのデータ提出とフィードバックによりPDCAサイクルを推進し、ケアの質の向上につなげる仕組み(リハビリテーションマネジメント加算)

(2)VISIT・CHASEのデータ収集項目と関連する現行の加算

(3)現場におけるデータ提出等取組に係る負担


■リハビリテーション・機能訓練等

(1)自立支援・重度化防止に向けた取組を進めていく方策

→ストラクチャー、プロセス、アウトカムの評価の適切な組み合わせの視点

→要介護者のADL等の維持改善を進める視点

(2)ADL維持等加算や社会参加支援加算等の取組を進めていく方策


■口腔・栄養

(1)施設入所者の状態に応じた口腔・栄養管理を効果的・効率的に行う方策

(2)居宅要介護高齢者の口腔・栄養状態の効率的把握、適切な口腔・栄養改善の方策

(3)リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の一体運用の方策


■重度化防止の推進等について

(1)医療系サービスなどをマネジメントし、適切に離床、リハビリ、介護等を行う方策

(2)排泄支援や褥瘡マネジメントでの症状改善や ・施設間の評価尺度の標準化を進める方策


上記について委員より多数の意見が出ました。

その一部をご紹介します。


提案された意見の例


■介護の質の評価と科学的介護の推進

VISIT等へのデータ入力の手間を省くため、1度の入力でVISIT等へ転記されるソフトの導入とソフト導入時の支援が必要


■リハビリテーション・機能訓練等

・リハビリは漫然と提供されるべきでなく適時適切に提供されるべき、また卒業後の状態変化の把握も必要

・活動・参加へのプロセスの手間を評価すべき

・社会参加支援加算、生活行為向上加算については、算定式等を見直してはどうか


■口腔・栄養

・口腔、栄養、機能訓練は重要であり、それぞれ進めていくべき

・口腔のスクリーニングが必要


■重度化防止の推進

離床には転倒予防等のリスク管理が必要でその手間や離床時のサービス提供を評価すべき


会長:妹尾弘幸の視点


■介護の質の評価と科学的介護の推進

「良質な介護とは何か」が未確立の状態では、介護の質の評価は不可能です。

生活機能の低下に対して、医療が担う部分、医療のリハビリテーションが担う部分、介護のリハビリテーションが担う部分、介護が担う部分、それぞれの目的を整理把握しないと困難だと思われます。

個人的には、医療、医療保険でのリハビリテーションは「心身機能・構造」を中心に担い、介護保険のリハビリテーションは心身機能から活動への移行、かつ医師の指示が必要な事を中心に担い、介護はそれ以外の活動及び参加を中心に担うと考えています。

今回は、介護の質以前のこととして、データ入力の省力化(一度の入力でVISITなどへ転記)が進められ、ソフト導入の支援が進められるようになると感じました。


■リハビリテーション・機能訓練等

「ADL維持等加算の基準の緩和」「社会参加支援加算」「生活行為向上リハビリテーション実施加算」については、算定式等の見直し等が実施されると感じました。


■口腔・栄養

栄養スクリーニング同様に口腔スクリーニングの導入がなされそうです。

意見には出ませんでしたが、口腔・栄養・運動の一体的実施が重要なことから、要支援通所での選択的サービス複数実施加算(口腔・栄養・運動の3加算算定に対するボーナス加算)を要介護へ 導入すればよいと思います。


■重度化防止の推進

排泄や褥瘡状態の改善に対する評価が採用されるでしょう。

また、グループホームや小規模多機能、看護小規模多機能へも導入される可能性があります。


今回の議論の中で「加算」が議題となりました。

加算の使われ方は様々ですが、基本は各事業の目的を効果的・効率的達成している事に対して評価されるべきものです。(効果に対するご褒美)

その前段階として、効果を出すために実施していることに対する評価「実施へのご苦労さん代」、そのまた前段階への人員・環境を整備していることに対する評価「準備の手間賃」があるのですが、適宜既存の加算を廃止して、次のステップの加算を新設する必要があります。

また、分かりやすい制度設計も毎回言われていることです。

まずは、クロス表で整合性のある加算体制にすることが必要ではないでしょうか。

【例】

・導入が進まない事に対して…本来の一部を実施する導入加算として「スクリーニング」など

・導入が進んだものに対して …「効果加算・減算」など


【情報提供元】

■第185回社会保障審議会介護給付費分科会

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13472.html


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