会長:妹尾弘幸の報告
2020年11月9日(月)に「第192回介護給付費分科会」が開催されました。
今回のテーマは下記について主に話し合われました。
【1】感染症や災害への対応力強化
【2】介護人材の確保、介護現場の革新
【3】制度の安定性、持続可能性の確保
【1】感染症や災害への対応力強化
(1)通所介護等について、通常の報酬体系において、感染防止や利用者の減少などの状況下においても、安定的な運用を可能とする対応を検討
(2)運営基準に、感染症発生、蔓延防止の取り組み(委員会開催、指針整備、研修、訓練)を明記
(3)運営基準に、BCP(業務継続計画)の策定、研修、訓練実施を明記
(4)運営基準に、地域住民と協力の元、災害訓練を実施することを明記
【2】介護人材の確保、介護現場の革新
(1)育児介護休業法での短時間勤務制度利用時に32時間、30時間の勤務者を常勤扱いとする
(2)処遇改善加算Ⅳ、Ⅴの廃止
(3)処遇改善加算の職場環境要件について、勤務継続が促進される内容に改定、当該年度の取り組みとする
(4)特定処遇改善加算の分配ルールの緩和
(2倍、1/2倍をより高く、より低くなどに変更)
(5)サービス提供体制加算で介護福祉士の割合上位区分の設定、算定要件再編。
(ICT・ロボットの活用、他と重複要件の削除)
(6)運営基準にハラスメント対策を明記する
(7)ICT・ロボットの活用による夜間人員基準の緩和
(8)テクノロジーの活用や腰痛予防に取り組む事業所の評価
(9)ICT活用の特別養護老人ホーム・介護老人保健施設の人員基準緩和
(10)各種会議でのICTの活用
(居宅訪問条件があるものについては引き続き検討)
(11)文書負担の軽減
(押印などの廃止、各種記録の電磁的保存、重要事項説明書などの掲示以外での閲覧など)
【3】制度の安定性、持続可能性の確保
(1)通所系サービス、小規模多機能居宅系サービスの区分支給限度額の計算方法に減算前の単位数を適用、大規模デイの支給限度額計算に通常規模の単位数を適用
(2)「生活援助の訪問回数が多いケアプランは市町村に届出、地域ケア会議で検討」の運用の見直し
(3)自治体によるサービス付き高齢者住宅併設事業所への指導の徹底
(4)福祉用具貸与の一部種目の販売種目への移行
(5)報酬体系の簡素化
感染、災害、ハラスメント対策を運営基準に記載することについて、反対意見は見られませんでしたが、負担増の視点から、委員会などについては一体的な開催を認めてほしいとの要望が複数出ました。
特定処遇改善加算のルール見直しについては、賛成意見と「経験のある介護職員の所得を上げる」という本来の目的を崩壊させるため反対とする意見と賛否両論出ました。
ICTなどの活用による夜間人員基準の緩和、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設の人員基準緩和については、両団体から反対意見が出ました。
一方で各種会議におけるICTの活用は賛成多数のため実施されそうです。
限度額の計算では、同一建物の通所系サービス、小規模多機能系サービスへの減算前の単位での計算には反対意見は見られませんでしたが、大規模デイへの通常デイの報酬単位の適用については、反対意見が見られました。
もっと詳しい情報は「管理者&リーダーオンライン」にて掲載しおります。
【情報提供元】
■第192回社会保障審議会介護給付費分科会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14660.html
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