職員同士でよくある職場の愚痴の言い合いが、「ウチの管理者は何を考えているか分からない」という管理者批判で終わることがあります。
組織論を学んでいない現場の職員でさえも、無意識のうちに組織は管理者が統括するものだ、ということが分かっているのです。
当たり前の話ですが、デイサービスも組織活動によって行われます。
※ちなみに、組織とは、2人以上で構成される、目的を遂行する集団、と私は定義しています
2人以上の人が一つの目標に向かおうとすると、必ずミスコミュニケーションが起きます。
実際に、ある職員が良かれと思ってやったことが、ただのおせっかいだったり、ある職員にとっては見守りのつもりが、ただの放置になっていたり。
自己流や感覚に任せた仕事を個々にさせたら、組織は乱れていくのです。
自分の気分のままに仕事をすれば、それがポジティブな結果であろうと、組織活動とは言えないのです。
そのような自己流に任せたチームは必ず乱れます。
声の大きい勢いのある人がその場を制するようなデイサービスは組織とは言えません。
ということは、やはり管理者が、ビシッとやるしかないのです。
何をビシッとやるのか。
それが『禁止』と『許可』、ということになるわけです。
禁止とは、やってはダメなことを伝えることです。
→その言葉遣いはダメです
→その態度はダメです
→その身だしなみはダメです
→その技術はダメです
→その知識はダメです
→ルール違反はダメです
→遅刻はダメです
→いじめはダメです
ということを書面でも、口頭でも、しっかり伝えることが求められます。
荒れた現場には、そういった禁止を伝える職員がいません。
「当たり前のことだから言わなくても分かるだろう」とか「社会人なんだから」「仕事だから」といって何もしない、言わないのは、逃げでしかありません。
しっかり伝えて正していく、という態度があれば、やる気のある人が辞めることはないでしょう。
そして、許可も管理者に必要な仕事です。
許可とは、OKを出すことです。
OKにはいろいろな意味があります。
→褒める
→許す
→ねぎらう
→認める
→頼る
→応援する
→見守る
→待つ
→合格を出す
→任せる
→フォローする
→お願いする(やってもらう)
ということです。
要するに、人や物事に対して肯定的に付き合っていく、ということです。
職員から信頼を得ていない管理者は、この『禁止』と『許可』のバランスが悪いことが多いです。
『禁止』と『許可』を出す上で大切なことは、『基準』を持つことです。
何が良くて、何が悪いのか、どうしたら良くなるのか、ということを時間をかけてじっくり言語化することです。
非常に面倒な作業で、孤独な戦いになりますが、これがしっかりできるほど、いろいろなことを広い心で見ることができるようになります。
どうしてほしいのか具体的に言えるようになりますし、管理者が何を考えているか分からない、と陰で言われることもなくなります。
明確な基準をもって、禁止と許可をしっかりと出していくことは、頑張っている人を認めることになりますので、組織全体の風土を向上させることにもなります。
これこそが管理者の仕事といえるでしょうね。
【情報提供元】
■管理者&リーダーVol.50(一部抜粋)
■知野吉和氏(介護人材アドバイザー)
ブログ
http://www.kaigogoyoukiki.net/niigata/blog/001/
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