認知症のスクリーニングテストとしてよく使われているものに、長谷川式スケールとMMSEがあります。
これらの評価では、「見当識」の設問が多く設定されています。
これらの評価とDSM-5の診断基準を参考に、リハビリ・機能訓練の枠組みを以下のように設定しました。
認知症の診断基準(DSM-5)
A:1つ以上の認知領域(複雑性注意、実行機能、学習および記憶、言語、知覚- 運動、社会的認知)において、以前の行為水準から有意な認知の低下があるという証拠が以下に基づいている
(1)本人、本人をよく知る情報提供者、または臨床家による、有意な認知機能の低下があったという概念
および
(2)可能であれば標準化された神経心理学的検査に記録された、それがなければほかの定量化された臨床的評価によって実証された認知行為の障害
B:毎日の活動において、認知欠損が自立を阻害する
C:その認知欠損は、せん妄の状況でのみ起こるものではない
D:その認知欠損は、他の精神疾患によってうまく説明されない
■高次脳機能障害へのリハビリ・機能訓練
・見当識(時・場所・人)に対するリハビリ・機能訓練
・注意機能(集中・持続・転換・分割)に対するリハビリ・機能訓練
・記憶(短期記憶)に対するリハビリ・機能訓練
・実行機能(遂行機能)に対するリハビリ・機能訓練
・言語(失語)に対するリハビリ・機能訓練
・知覚- 運動(各感覚- 知覚- 認知、視覚- 空間- 構成など)に対するリハビリ・機能訓練
・自己認知(自己身体認知、自己能力認知、自己身体- 環境認知、感覚- 運動認知など)に対するリハビリ・機能訓練
・社会的認知(共感・表情認知・他者理解・抑制など)に対するリハビリ・機能訓練
■生活機能障害へのリハビリ・機能訓練
[活動における障害]
・ADL(排泄・食事・入浴・整容・更衣・移動・コミュニケーション・睡眠)に対するリハビリ・機能訓練
・IADL(掃除・調理・洗濯・片づけ・ごみ捨て・買い物・服薬管理・金銭管理など)に対するリハビリ・機能訓練
・趣味活動(園芸・裁縫・クラフト・書道・ビデオ鑑賞など)に対するリハビリ・機能訓練
[参加における障害]
・家での役割(居間の掃除、庭の水やり、金魚の世話、洗濯物の取り入れなど)に対するリハビリ・機能訓練
・地域・社会での役割(登下校の児童見守り、地域清掃・見回り活動など)に対するリハビリ・機能訓練
・他者との交流(近所の井戸端会議、地域のイベント・老人会などに参加)に対するリハビリ・機能訓練
・趣味活動(囲碁教室・ダンス教室・料理教室などに参加)に対するリハビリ・機能訓練
・その他(ボランティアグループに参加など)に対するリハビリ・機能訓練
【お役立ち研修】