高齢者は、転倒→骨折→生活機能低下という流れを引き起こす危険性が高く、転倒予防のためには、これらの流れを断つことが重要です。
まず
(1)転倒しにくい心身・環境づくり
(2)骨折しにくい心身・環境づくり
(3)生活機能が低下しにくい心身・環境づくり
の視点で転倒予防について考えていきましょう。
【1】転倒しにくい心身・環境づくり
転倒しにくい心身づくりとは、本人の心身機能・精神機能(認知機能などを含む)の維持・改善により、転倒しにくくすることです。
転倒しにくい環境づくりとは、段差や凸凹を解消してバリアフリーにするなど、環境を改善することによって、転倒の発生率、転倒リスクそのものを軽減する方法です。
環境は、転倒リスクと深い関係があります。
転倒を惹起するさまざまな環境因子(凸凹、滑りやすさ、引っ掛かり、まぶしさ、暗さなど)をできるだけ少なくすることは、転倒発生率の軽減に有効です。
利用者の転倒を予防するには、事業所や施設だけでなく、自宅の環境整備を考えることも重要です。
【2】骨折しにくい心身・環境づくり
骨折しにくい心身づくりとは、万一、転倒しても骨折には至らない心身をつくることです。
骨折しにくい心身づくりの視点には、骨を強くする、上手な転び方を身に付けるなどがあります。
強い骨を作ることや骨の弱化防止には、「カルシウム摂取」「ビタミンD摂取」「日光浴」「運動」が必要です。
高齢者の場合、運動による骨量増加はほとんど見込めませんが、骨粗鬆症の進行を遅らせるためには、この4つが重要となります。
従って、特に禁じられている場合を除いて積極的に推進しましょう。
上手な転び方を練習するという視点では、練習中に転倒・骨折するというリスクも高いため、実際に行われることは少ないようです。
骨折しにくい環境づくりでは、
(1)床の素材を軟らかいものにする
(2)ヒッププロテクターを使用する
(3)低床ベッドを使用する
(4)階段に滑り止めシートを設置する
などの方法があります。
【3】生活機能が低下しにくい心身・環境づくり
高齢者の骨折が問題となる理由の一つは、骨折により寝たきりになる、自立歩行が困難になるなど、生活機能が低下するからです。
骨折しても活動レベルや参加意欲が下がったりしないように心身に働きかけることが大切です。
骨折と生活機能低下との関係で重要なものに、「転倒(後)恐怖」「転倒後症候群」があります。
これは、転倒に対する不安、恐怖のために歩行できなくなったり、外出できなくなったりすることです。
外出する具体的な目的をつくってモチベーションをアップするなど、不安や恐怖を克服するために、精神面への働きかけが重要になります。
同様の視点から、生活機能が低下しにくい環境づくりも重要となります。
住環境の改善、福祉用具の活用などで、生活機能低下の防止、最小限化が可能となります。
【情報提供元】
実践 認知症ケア2
https://dayshop.biz/item/detail/2152.html
デイの管理者&リーダー「だよりね」
【学ぶ】
■制度改定に左右されない!!高稼働率自立支援デイ(デイサービス3.0)に学ぶシステムと戦略
https://tsuusho.com/system_revision
■リハビリ職・機能訓練指導員のためのADL改善につながる動きのコツ習得セミナー
■「人」が集まる法人になるための採用力強化セミナー
https://tsuusho.com/people_gather
■デイのプログラムを効果的にするための生活機能の評価とアプローチセミナー
https://tsuusho.com/livingfunction
■在宅生活を支えるリハビリ職の方必見!通所・訪問リハビリ向けセラピストの必要知識
https://tsuusho.com/supporting_homelife
■診療報酬・介護報酬改定から見るこれからのリハビリテーションマネジメント
■デイの看護師・機能訓練指導員が知っておくべき個別機能訓練実技セミナー
https://tsuusho.com/kunren_jitsugi
■個別機能訓練計画書・通所介護計画書の書類と書き方・LIFEへの対応セミナー
https://tsuusho.com/plan_comprehensive
■第20回日本通所ケア研究大会(合同開催)第17回認知症ケア研修会in福山
https://tsuusho.com/conference/