
「運営指導が入ると聞いて、正直焦った」
これは、ある介護事業所の管理者の言葉です。
書類は揃っている。
加算も算定できている。
大きなクレームもない。
それでも、運営指導の結果、報酬返還が発生しました。
これは決して特別な話ではありません。
指導と監査の違いを誤解している事業所が多すぎる
・指導…事業所の育成を目的とするもの
・監査…不正や重大な違反を是正するもの
多くの事業所が、「指導だから問題ない」と考えます。
しかし現実は逆です。
指導は、監査の入口にもなり得ます。
事例:「書類は完璧」だったはずなのに…
とあるデイサービス事業所。
運営指導で最初に確認されたのは、個別機能訓練加算の算定根拠でした。
アセスメント記録、計画書、実施記録、各種評価表、署名など、算定要件となる書類はすべて揃っており、一見すると問題はないように見えます。
しかし、指導担当者の質問はこうでした。
「この利用者の訓練内容を、現場職員は説明できますか?」
担当職員は答えられませんでした。
別の職員に聞いても、説明は曖昧でした。
結果、「計画と実践が一致していない」と判断され、加算が返還対象となりました。
書類があることと、実践があることは別です。
運営指導は、その矛盾を必ず突いてきます。
事例:「兼務」は合法でも、「実態」は違法になる
別の事業所では、人員配置が問題となりました。
管理者はこう説明しました。
「人員基準は満たしています。兼務も問題ありません」
しかし、タイムカードと勤務実績表を突合した結果、ある職員が同じ時間帯に複数事業所で勤務していることが判明しました。
つまり、書類上は配置されているものの、物理的には不可能な勤務実態だったのです。
結果、人員基準違反と判断され、報酬返還対象となりました。
「兼務」は認められています。
しかし、「実態のない配置」は認められていません。
この違いを理解していない事業所は、決して少なくありません。
心当たりがある場合は、今すぐ見直しが必要です。
事例:「やっているつもり」の虐待防止・身体拘束研修
運営指導で必ず確認されるのが、虐待防止と身体拘束の対応です。
「研修は実施しています」と回答した、ある事業所。
しかし、研修記録を確認すると、
・資料はある
・参加者の署名はある
・内容の記録がほとんどない
しかし、職員に質問すると「身体拘束の3要件」を説明できる職員がほとんどいませんでした。
結果「研修が形式化している」と指摘され、改善命令が出されました。
研修は「実施したか」だけでは不十分です。
「理解されているか」までが問われます。
事例:サービス担当者会議の空白
ケアマネジメントの確認で多いのが、このケースです。
・サービス担当者会議の記録はある
・多職種の署名もある
しかし、議事録の内容が極めて薄い。
・情報共有を行った
・意見交換を行った
それ以上の具体性がありません。
指導担当者はこう指摘しました。
「本当に多職種で検討しましたか?」
結果、ケアマネジメントプロセスの不十分さが指摘されました。
指導結果通知は「終わり」ではなく「始まり」
運営指導の後、結果通知が届きます。
多くの事業所が、ここで安心します。
しかし、本当の評価はその後に決まります。
「改善できる事業所か、改善できない事業所か」
運営指導は、事業所の未来を映す鏡でもあります。
運営指導で指摘されるのは、単なる書類不備だけではありません。
・組織としての理解不足
・現場と管理の乖離
・形だけの基準運用
これらが、一気に可視化されます。
あなたの事業所は、本当に「説明できる運営」をしていますか
もし答えに迷うなら、定期的な自己点検シートを活用した法人内の内部監査を、今すぐ実施すべきです。
運営指導は、突然やって来るものではありません。
日々の運営の積み重ねが、そのまま評価されるのです。
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