今回の介護保険法改正の大きなキーワードが介護予防に資する住民主体の「通いの場」です。
通いの場の取り組みをいっそう推進していく方向に動くことでのデイサービスへの影響を考える必要があります。
通いの場とは
(1)体操や趣味活動などを行い、介護予防に資すると市町村が判断する通いの場であること
(2)通いの場の運営主体は、住民であること
(3)通いの場の運営について、市町村が財政的支援( 地域支援事業の一般介護予防事業、地域支援事業の任意事業、市町村の独自事業など) を行っているものに限らないこと
(4)月1 回以上の活動実績があること
とされています。
※なお、通いの場には、自治体の介護保険の担当以外の部局が行う、スポーツや生涯学習に関する取り組み、公園や農園を活用した介護予防につながる取り組み、民間企業・団体や社会福祉協議会などの多様な主体と連携した取り組み、医療機関や介護保険施設等が自主的に行う取り組み、有償ボランティアなどのいわゆる就労に類する取り組みなども含まれる
通いの場を増やすため、担い手の確保など多角的に取り組む
今後の政策として、介護予防事業の推進では、通いの場の類型化などを進めるとともに、ポイント付与や有償ボランティアの推進など、参加促進を図るための取り組みを進めることが重要とされています。
ポイント付与とは、介護予防などを目的として65歳以上の高齢者が地域のサロン、会食会、外出の補助、介護施設などでボランティアをした場合にポイントを付与し、たまったポイントに応じて商品との交換、換金などを行う仕組みを言います。
今回の改正では、住民主体の多様なサービスの展開のために、有償ボランティアに対して謝金を支出できるようにすることや、人材確保のためのポイント制度などを創設するなど、総合事業の担い手を確保するための取り組みを多角的に進めることが盛り込まれました。
通いの場とデイサービスとの関係性
通いの場は、デイサービスの役割と重なる点も多く、これらの取り組みは、近い将来の軽度者(要介護1・2など)の総合事業への移行を想定した準備・対策の意味も含まれていると考えるべきです。
今回の制度改正では、軽度者の総合事業への移行について結論を先送りし、審議を次回改正に引き継ぎながら、実はその実現のための布石が確実に打たれていることに注目すべきです。
【情報提供元】
■デイサービスの管理者&リーダーVol.53(一部抜粋)
https://dayshop.biz/products/detail/295
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■地域連携や協同化・大規模化への対応とこれからのデイ運営具体策セミナー
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