駄菓子屋の奥には交流スペースも
地域共生をコンセプトとした「和が家のくらしとシゴトバデイうるひら」では、デイサービスの一角に駄菓子屋「じゃんけん堂」を設け、ご利用者が店番などで活躍しています。
駄菓子屋の奥には小上がりの畳スペースがあり、買い物に来た子どもたちや子連れのママさんの憩いの場にもなっています。
この畳スペースはデイとひと続きの空間のため、ご利用者と地域の方があいさつを交わしたり、世間話をしたりと、自然と交流が生まれています。
また、デイ内だけでなく地域に出て駄菓子を販売するなど、ご利用者がさまざまな場所で地域とつながるような活動も行っています。
ご利用者が駄菓子屋の店員に
「じゃんけん堂」では、希望するご利用者が接客や金銭の管理を担当するほか、スタッフと一緒に駄菓子の問屋へ行き、商品を仕入れる役目を担うこともあります。
ご利用者に自分の役割や地域社会とのつながりを感じてもらうことで、認知症による症状が落ち着いたり、デイのほかの活動にも積極的に取り組み、意欲の向上が見られるなどの効果が現れています。
駄菓子屋にもひと工夫!放課後デイの子どもたちが買い物練習に来店
買い物客が自分で伝票を記入し、合計金額を計算してレジに持って来るようにしています。
この取り組みが喜ばれ、放課後デイの子どもたちが買い物と計算の練習に来店することもあります。
地域のお祭りや他事業所に「出張! 駄菓子屋さん」
地域のお祭りやバザーなどが行われる際は、駄菓子屋を出店し、駄菓子のほかに、ご利用者が作ったクラフト作品やデイの畑で採れた野菜なども販売します。
開催日までの実行委員会とのやりとりや商品の運搬などはスタッフが行いますが、当日の接客はご利用者が行います。
また、お祭りなどのイベントだけでなく、近隣の老人ホームなどの施設に出張販売に出向くこともあり、事業所の垣根を超えた交流も行っています。
これらの販売活動によって得られた利益は、次回のイベントなどで販売する作品の材料費やデイでの活動費などに充てることで、ご利用者に還元するようにしています。
取り組みの効果と課題
駄菓子屋をきっかけに、地域の方がデイに出入りするなど、ご利用者が社会と接する機会が増えました。
このような活動は、ご利用者の活躍の場を増やすだけでなく、事業所の知名度を高めたり、地域の方に認知症や障がいのある方への理解を深めてもらう活動の一つにもなっています。
日々のご利用者のケアを大切にしつつ、デイの業務時間内で、このような社会参加活動やその準備をいかに効率的に進めていくかが今後の課題です。
今後は小さな食堂をオープンし有償で働ける体制へ
デイサービス内には広いキッチンがあり、地域の方向けの料理教室や子ども食堂などを実施する予定です。
また、このような設備を生かして、近い将来には小さな食堂をオープンさせることを目標にしており、現在、飲食店としての申請に向けた準備を行っているところです。
そこでは、ご利用者が有償で働ける体制を整え、さらなる役割、生きがいの創出を目指しています。
【情報提供元】
■月刊デイ Vol.244(一部抜粋)
■和が家のくらしとシゴトバデイ うるひら
【「社会参加活動」の始め方の実践ついて学ぶ】
■【オンライン】濵田桂太朗氏の2025年、2040年に向けてデイなどの通所系サービスに必要な地域共生の視点セミナー
https://tsuusho.com/online_cohabitation
■【オンライン】介護サービス事業から広がる「社会参加活動」の始め方の実践報告
https://tsuusho.com/online_social_participation_activities