ご利用者のKさんは、以前は職員が入浴の声かけをするとすぐに応じていましたが、最近は断ることが増えてきました。
「今は気分が乗らない」「家で入るから今日はいい」などと言って、席から動こうとしません。
どうしてKさんは、入浴を拒むことが増えてきたのでしょうか?
Kさんの本当の気持ちを考えてみましょう。
入浴したがらない理由に着目する
一見、Kさんは入浴が面倒になり、拒んでいるように見えます。
しかし、以前は職員の声かけですぐに入浴していたことに着目すると、解決のヒントが見えてきます。
「疾患」という視点
言葉の意味や動作が分からなくなった
中核症状の失語により、「お風呂」という言葉の意味が理解できなかったのかもしれません。
また、失行や実行機能障害により、服の脱ぎ方やお風呂に入るときにどのように行動すればいいかが分からなくなったのかもしれません。
言葉の意味や動作が分からなくなると、不安にもつながります。
「人」という視点
体調不良、または羞恥心がある
風邪などの認知症以外の疾患や便秘、寝不足などで体調が優れないのかもしれません。
また、「今は気分が乗らない」などの言葉の裏に “人前で服を脱ぐのは恥ずかしい”“人の世話になりたくない”という隠された本音があるのかもしれません。
ご利用者の興味を引き、理解しやすい方法で伝える
浴動作が分からず不安を感じたり、デイサービスでの入浴に抵抗を感じているKさんの気持ちに寄り添いましょう。
快く入浴してもらえるよう工夫することが大切です。
その人のできることやできないこと、分かることや分からないことをアセスメントすることで、入浴拒否の原因が分かることもあります。
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