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第186回社会保障審議会介護給付費分科会を傍聴して

2020.10.05

会長:妹尾弘幸の報告

2020年9月30日(水)に「第186回介護給付費分科会」が開催されました。

今回のテーマは、「介護人材の確保・介護現場の革新」「制度の安定性・持続可能性の確保」の2点でした。

※あらかじめ断っておきますが、文章内容はあくまでも私の個人的かつ勝手な感想・考えでありますのでそのつもりで読んでいただければ幸いです。


■人員配置基準等について

基準に関する、ローカルルールについての苦情が複数出され、国によるガイドラインの発出や、実情の把握等の要望が出ました。

基準については、専従要件の緩和等、柔軟な運用を望む声と共にサービスが低下しないようとの要望が出されました。

ICTやロボット活用による人員基準緩和についても同様の意見が出ました。 育児や介護休暇等の場合、医療と同様に週30時間勤務で常勤とみなす扱いが導入されそうです。

小規模多機能・看護小規模多機能では通所の人員基準3:1の緩和要望が出ました。


■処遇改善について

処遇改善加算のⅢ、Ⅳが予定通り廃止されそうです。

特定処遇改善加算は、算定率がやや低いため、要件緩和の要望が出ました。


■体制強化加算

より上位の区分の新設要望が複数委員から出されました。


■ハラスメント対策について

実態調査や利用者への周知の要望が出ました。

また、ハラスメントをサービス提供拒否の事由として認めるよう要望が出ましたが、利用者側からは慎重に扱ってほしい旨の意見も出ました。


■介護現場の革新、制度の持続性について

80%、90%以上の算定率の加算は本体報酬に含めるなど、報酬の簡素化が多数の委員から意見が出されました。

算定率が低い加算については「廃止」「要件緩和」「非算定の事由調査」等の意見が出ました。


会長:妹尾弘幸の視点

人員基準については、以前より「専従」等についての柔軟な対応が提案・要望されており、業務に支障をきたさない範囲で他の業務への従事を認めるように緩和されると思われます。

それを元に、看護職、リハ職、歯科、管理栄養士等の職員シェアが促進されるでしょう。
(特に予防事業や各種加算に関して)

但し、法人間をまたぐ職員シェアについては、労基法や保険、年金等の関連法規の整備が途上であり、今後の課題と言えます。
(労働時間と手当、労働災害・事故、技術転用等)

体制強化加算では、現在、訪問 - 通所 – 入所で介護福祉士割合が 40%、50%、60%となっている区分にプラス10%の上位区分の新設が実施される気がしました。

しかし、以前よりこの割合については、人員強化のためにヘルパー等を増員すると結果として介護福祉士の割合が下がる等の問題があるため、最低基準人員値で判断する等の改善が必要です。

ハラスメントについては、他産業でも大きな課題となっているため、運営基準にハラスメントに関する研修が入れられると感じました。

ICTやロボットは、補助金等でもっと導入促進すべきとの意見が多く、私も同意しますが、ICTやロボットの製作側に介護の視点が足りないために、今後様々な問題を引き起こすと感じています。
( 単に職員の業務効率の推進等の視点で進められている事例が多く、利用者の自立支援、職員の能力向上の視点が少ない 等)

これについては、また別の機会にお伝えしたいと思います


【情報提供元】

■第186回社会保障審議会介護給付費分科会

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13726.html

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