会長:妹尾弘幸の報告
2020年10月9日(金)に「第187回介護給付費分科会」が開催されました。
今回のテーマは「地域密着型サービス」が主で下記について討議されました。
(1)定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護
(2)認知症対応型共同生活介護
(3)小規模多機能型居宅介護
(4)看護小規模多機能型居宅介護
(5)高齢者住まい・特定施設入居者生活介護
全体的に、厚労省の提案に沿った流れで議論が進みました。
今年度の介護給付費分科会の特徴として、過疎地での各加算や人員基準、ショートステイの基準など各サービスによって差があったものの整合性が図れるようにしている印象があります。
小規模多機能については、厚労省が意図するように推進されていないため前回より報酬が少しアップされそうです。
※あらかじめ断っておきますが、文章内容はあくまでも私の個人的かつ勝手な感想・考えでありますのでそのつもりで読んでいただければ幸いです。
■定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護
期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護の両サービスの統合について、賛成とする意見や慎重に進めるべきだという意見が挙がりました。
■認知症対応型共同生活介護
緊急ショート利用について居室以外でのショート利用を認めるか否かについて、居間などは好ましくないとの意見が出ました。
訪問看護や訪問リハの利用については、医師が必要と認める場合には可能としたらどうかという意見が出ました。
現在2ユニットを限度としているユニット数の緩和については、明確な反対意見はあまり見られませんでしたが、サテライト展開については効率化が難しいのではないかなどの意見が出ました。
現在1ユニット1名となっている夜勤体制については、2ユニットで1名とする案への反対意見が多く出ました。
運営推進会議と第三者評価については、どちらか選択できるようにしてみてはどうかとの意見が出ました。
■小規模多機能型居宅介護
軽度者の報酬単価について評価すべき、軽度者の報酬単価を上げるのであれば、中重度者の報酬単価を下げるべきなどさまざまな意見が出ました。
総合マネジメント加算については、他のサービスにも同様のものが必要との意見がありました。
過疎地など定員超過への30%減算については、緩和してほしいとの意見が挙がりました。
■看護小規模多機能型居宅介護
看多機利用者のターミナル期などで入浴が困難となったご利用者に対して、訪問入浴の利用を認めるべきとの意見が挙がりました。
会長:妹尾弘幸の視点
今年度の介護給付費分科会を傍聴していて感じるのは、過去の給付費分科会と違い「介護報酬改定に向けての視点」が早くから提示されていることです。
今までは、審議終了近くの12月になってから、審議報告書案が提示されていましたが、今回は早期から提示されています。
これは、新型コロナウイルス感染拡大に備えてのこともあるかと思いますが、方向性についてはこの審議報告書案を参考にすると良いでしょう。
また、例年に比べ厚生労働省提案の方向性にスムーズに流れている感じがします。
事前の根回しが十分されていることで、今回の改定で減収の方向に行かないのかもしれません。
今回テーマに挙がった各事業サービスについては、来年度の介護報酬改定に早目に備えるために、現状の介護給付費分科会の資料に目を通しておくことをお勧めします。
ポイントまとめ
以下の準備を進めておくことが良いと思われます。
【グループホーム】
(1)緊急ショートの場所の確保 (プライバシーの確保ができる個室など)
(2)ユニット数増の検討
(3)訪問看護・訪問リハを導入すると仮定した場合の委託先の検討
(4)外部評価を運営推進会議での自己評価発表&チェックと第三者評価のどちらに重点を置くか
【小規模多機能・看護小規模多機能】
(1)訪問体制強化加算で訪問回数が少ない場合減算、多い場合(例:月300回以上、400回以上)加算への対応準備
(2)総合マネジメント加算で、「利用者の役割発揮の場」の設定に対する評価への準備
(3)空き室がある場合の登録者以外のショート利用の促進準備
(4)看多機での排泄・褥瘡・栄養改善機能の向上の準備
(5)ターミナル期等で通所での入浴が困難な者への訪問入浴を依頼する事業所との契約準備
【高齢者住まい・特定入居者生活介護】
(1)生活機能向上連携加算のような他の医療機関のリハ職との連携の準備
【情報提供元】