会長:妹尾弘幸の報告
2020年12月18日(金)に「第197回介護給付費分科会」が開催されました。
本年最後の分科会は「令和3年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」について、協議されました。
最後の分科会ということもあり、意見は少なかったのですが、やはり最後まで話題となったのは、「ICT、ロボット等の活用による業務革新」「業務の効率化」についてでした。
「ICT、ロボット等の活用による業務革新」「業務の効率化」の先にあるもの
介護従事者の負担軽減のためにICT、ロボット等を導入し、業務の効率化を実施する事に反対する委員はいません。
しかし、その先の進め方で大きく意見が分かれています。
介護従事者の負担軽減でICT等の活用をして「人員基準を緩和する事等」について
(1)良しとする
(2)基準の緩和は介護従事者の負担増になるため良しとしない
に分かれます。
今回は、導入後に介護の質や職員の負担等を検証することで決着となりましたが、議論は再燃するでしょう。
来年1月の中旬ごろに報酬単価は発表される予定です。
各サービスの改定事項は以下の通り(一部抜粋)
※介護予防についても同様の措置を講ずる場合には★を付記している
■全サービス共通
【1】感染症対策の強化★
【2】業務継続に向けた取組の強化★
【3】CHASE・VISIT 情報の収集・活用と PDCA サイクルの推進★
【4】人員配置基準における両立支援への配慮★
【5】ハラスメント対策の強化★
【6】会議や多職種連携における ICT の活用★
【7】利用者への説明・同意等に係る見直し★
【8】員数の記載や変更届出の明確化★
【9】記録の保存等に係る見直し★
【10】運営規程等の掲示に係る見直し★
【11】高齢者虐待防止の推進★
【12】地域区分★
■通所系サービス(共通)
【1】災害への地域と連携した対応の強化
【2】認知症専門ケア加算等の見直し
【3】認知症に係る取組の情報公表の推進
【4】認知症介護基礎研修の受講の義務づけ
【5】リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組の一体的な推進
【6】処遇改善加算の職場環境等要件の見直し
【7】介護職員等特定処遇改善加算の見直し
【8】サービス提供体制強化加算の見直し
【9】通所系サービス等における口腔機能向上の取組の充実
【10】介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)の廃止
■療養通所介護除く通所サービス共通
【1】通所介護等の事業所規模別の報酬等に関する対応
【2】通所介護等の入浴介助加算の見直し
【3】通所系サービス等における栄養ケア・マネジメントの充実
【4】テクノロジーの活用によるサービスの質の向上や業務効率化の推進
【5】同一建物減算適用時等の区分支給限度基準額の計算方法の適正化
各サービス別
■通所介護・地域密着型通所介護
【1】通所介護における地域等との連携の強化(通所介護のみ)
【2】リハビリテーション計画書と個別機能訓練計画書の書式の見直し
【3】生活機能向上連携加算の見直し
【4】通所介護における個別機能訓練加算の見直し
【5】ADL維持等加算の見直し
【6】サービス付き高齢者向け住宅等における適正なサービス提供の確保(通所介護のみ)
■療養通所介護
【1】療養通所介護の利用者の状態確認における ICT の活用
【2】サービス付き高齢者向け住宅等における適正なサービス提供の確保
【3】療養通所介護の報酬体系の見直し
■認知症対応型通所介護
【1】離島や中山間地域等におけるサービスの充実★
【2】生活機能向上連携加算の見直し★
【3】ADL 維持等加算の見直し
【4】管理者交代時の研修の修了猶予措置★
【5】管理者の配置基準の緩和★
【6】同一建物減算適用時の区分支給限度基準額の計算方法の適正化★
■通所リハビリテーション
【1】リハビリテーションマネジメント加算の見直し★
【2】社会参加支援加算の見直し
【3】生活行為向上リハビリテーション実施加算の見直し★
【4】リハビリテーション計画書と個別機能訓練計画書の書式の見直し ★
【5】長期期間利用の介護予防リハビリテーションの適正化(予防のみ)
【6】サービス付き高齢者向け住宅等における適正なサービス提供の確保★
【情報提供元】
■第197回社会保障審議会介護給付費分科会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15543.html
【制度改正・報酬改定の最新情報を学ぶ】
■介護報酬・介護制度改定への対策とこれからの介護セミナー
https://www.tsuusho.com/junkai