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2021年、介護報酬は成果型へ

2020.09.16

今回の介護報酬改定の中心は、「自立支援介護」「成果型報酬」などです。


介護報酬改定のポイント

【1】成果型報酬が本格化

→ 成果・結果などの実績に応じた報酬算定へ

→デイサービスにおける自立支援と成果型報酬

【2】科学的介護を評価

→将来的にはAIによってケアプランを作成?

【3】ケアマネジャーの処遇改善

→ ケアマネジャーの賃金を改善し、人材不足解消へ


すべてのデイに成果や結果を出すことが求められます!

現在の介護報酬は、極端な言い方をすれば、お世話をすると報酬を得ることができ、機能訓練を実施すれば加算の算定ができます。

成果型報酬の導入は、従来の「実施を評価する算定」から、「成果・結果などの実績に応じた算定」へと、自立支援介護の取り組みを評価する報酬体系への移行を意味します。

2016 年10月、財政制度等審議会財政制度分科会は「機能訓練をせず、単なる居場所となっているデイサービスは減算すべき」という意見を提出し、2017 年4月の未来投資会議において、安倍総理が「効果のある自立支援の取り組みが報酬上評価される仕組みを確立させる」と発言し、未来投資戦略2017 で「次期介護報酬改定において、効果のある自立支援について評価を行う」と記されました。

しかし、2018 年1月に平成30年度介護報酬単位が明らかになった時点では、リハビリ型デイサービスの中心である3時間の報酬がマイナス4.5%と激減したのに対して、お世話型の中心である7時間の報酬が現状維持に近い結果となりました。

さらに、初めての成果型報酬として期待されたADL 維持等加算では、算定要件に5時間以上のサービス提供が盛り込まれ、完全に、短時間のリハビリ型デイサービスが蚊帳の外になりました。

このような経緯があるため、リハビリ型デイサービスなどは、成果型報酬が本格化する次期介護報酬改定こそ正念場と、期待と不安を持っているでしょう。


デイサービスにおける「自立支援」と「成果型報酬」

デイサービスであっても、過剰なサービス提供は結果として機能の悪化につながります。

あるデイサービスでは、お茶出し、昼食などは、可能な限り利用者が自ら行うシステムを取っています。

バイタルチェックは、利用者が看護職員の元に行き、昼食はバイキング方式で、食器の上げ下げも利用者が行います。

利用者には、自分が好きな料理を選んで食べることができると好評です。

お茶は自動マシンが設置されていて、いつでも自由に飲むことができ、自動マシンの横に、「これも機能訓練です」と張り紙がされ、至るところでこの張り紙を見かけます。

利用者と家族は、事前にその意図を説明され、理解した上でサービスの利用を開始しているのでクレームは皆無。

日本の介護は、「お世話」という名目の元で、過剰介護であるとの指摘がされています。

自分でできることは可能な限り自分で行っていただくことが介護予防となり、自立支援の基本です。

しかし、多くのデイサービスでは、上げ膳据え膳で利用者は座っているだけ、筋力が落ちて身体状況が悪化する一方。

機能訓練で一時的に状態が改善しても、日常のお世話の中で悪化させては意味がありません。

成果型報酬の実施が本格化すると、形だけの機能訓練や、そもそも機能訓練をやっていない事業者との収入格差が大きく拡大します。

デイサービスでは、最低限でも生活機能向上連携加算を算定し、ADL 維持等加算も算定できるレベルまでになっておかないと、先が見えなくなります。

ADL 維持等加算の算定は本当に大事です。

自分たちの提供する機能訓練の成果を評価するのは当たり前のことで、そこに30 円でも加算をつけてくれたことに感謝しなければいけません。

平成30年度介護報酬改定で、生活機能向上連携加算が新設された意味はここにあります。

国が進める医療・介護連携という言葉の意味を、改めてよく考えなければならないでしょう。


将来的にはAI によってケアプランを作成?

未来投資戦略2017 において、「データ分析による科学的な効果が裏付けられた介護サービスについては、2021 年度以降の介護報酬改定で評価する」と記され、すでに科学的介護モデルとしてAI、コンピューターがケアプランを作成するシステムである、(株)CDI が開発した「MAIA システム」の利用が始まっています。

また、厚生労働省では科学的介護のエビデンスとなるデータ収集と分析を、「VISIT」と「CHASE」で行い、データベースの構築が進められています。

これをもって、将来的にケアプランはコンピューターが作るようになり、ケアマネジャーは不要になると考える話も聞きますが、これはケアマネジャーが潜在的に持つ不安の表れでしょう。

ペッパー君というAI ロボットがケアプランを作れるかと考えると、答えは明らかです。

科学的という言葉のため、AI に取って代わられるイメージが出るのでしょうが、ペッパー君は、少なくてもアセスメントとモニタリングはできません。

科学とは、そのプロセスを実行した場合、誰が行っても一定の確率で同じ結果となることをいいます。

すなわち科学的介護とは、収集されたデータを分析してリハビリテーションによる改善率や回復率を求め、その数値を根拠に適切なサービスをケアプランに反映することで、自立支援介護の一定の確立での成果が期待できることを言うのです。

そして、デイサービスはこの確率的に成果が期待できるケアプランにより、リハビリテーションを提供し、期待通りの成果が出た場合、成果報酬型の加算を算定します。

これがリハビリテーションサービスの未来像となるのではないでしょうか。


【情報提供元】

■デイサービスの管理者&リーダー Vol.53(一部抜粋)

https://dayshop.biz/


【自立支援・制度改正・報酬改定ついて学ぶ】

■自立支援の環境づくりと技術セミナー

https://www.tsuusho.com/creating_environment/

■【オンライン】濵田桂太朗氏の2025年、2040年に向けてデイなどの通所系サービスに必要な地域共生の視点セミナー

https://tsuusho.com/online_cohabitation

■【オンライン】介護サービス事業から広がる「社会参加活動」の始め方の実践報告

https://tsuusho.com/online_social_participation_activities

■【緊急開催】地域包括ケア時代に求められるデイ・総合事業対応セミナー

https://www.tsuusho.com/day/

■【緊急オンライン開催】地域連携や協同化・大規模化への対応とこれからのデイ運営具体策セミナー

https://tsuusho.com/online_administration

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