「この人の話なら聞いてみたい」
「自然と動きたくなる言葉だ」
誰かの話に心を動かされ、自分から行動を起こした経験はありませんか?
逆に、どんなに正しいことを言われても「何となく動きたくない」と感じたこともあるはずです。
この「動きたくなる」「動きたくない」の差を生むのが、説得力です。
人を強制的に動かすのではなく、自分の意思で動いてもらえる力こそが、本当の「人を動かす力」と言えます。
説得力とは、「人の心を動かす力」
説得力とは、単なる口の上手さや理屈のうまさではありません。
それは「相手に納得してもらう力」であり、「動いてよかった」と思わせる力です。
人間は感情の生き物。
納得したときに初めて、行動が変わります。
では、どうすれば人の心を動かせるのでしょうか?
約2300年前の哲学者アリストテレスによると、人を動かす(説得する)には、以下の3つが必要であると述べています。
「説得の三要素」
人柄・信頼
話し手の信頼性や誠実さ、好感度。
「この人なら信じられる」と感じてもらうことが第一歩です。
感情
聞き手の感情に訴える力。
共感や感動を呼び起こすことで、心の扉が開きます。
論理
データや事実に基づいた理屈。
論理的な筋道が通っていることで、納得が生まれます。
この3要素は現代でもコミュニケーションの本質として語り継がれており、この3つのバランスが揃ってこそ、真の「説得力」が生まれるのです。
第一印象は「3秒」で決まる
人が他人の印象を決めるまでにはある「時間の法則」があると言われています。
皆さん一度は耳にしたことがあると思います。
3秒:第一印象(直感)が決まる
30秒:その印象の確認
3分:印象が定着
つまり、会話の中身に入る前の「見た目」「雰囲気」「声のトーン」がすでに説得力を左右しているということです。
しかも、一度定着した印象を覆すには7回以上の接点が必要だとも言われています。
それだけに、「出会って3分以内」の振る舞いがとても重要です。
説得力のある声とは?
見た目と同じくらい、いやそれ以上に影響を与えるのが声です。
人は、話の内容よりも「どう話すか」に強く反応します。
耳障りな高い声や、早口でまくし立てるような話し方は、説得力を損なうこともあります。
そこで意識すべきは、以下の3つの「声の技術」です。
[1]低めで落ち着いた声
特に重要なメッセージは、トーンを下げてゆっくりと話すことで重みが増します。
[2]緩急をつけた話し方
全編同じスピードでは相手の集中が続きません。
論理的な話はテンポよく、感情を動かす場面ではゆっくりと、強弱をつけて話しましょう。
[3]「間」を恐れない
話の前に一呼吸の沈黙を置くことで、聴き手の注意を引き、言葉に重みを持たせることができます。
「間」は、説得の「静かな武器」です。
説得力を高める3つの実践ポイント
最後に、実生活ですぐに実践できるポイントを3つ紹介します。
清潔感と笑顔を忘れない
第一印象を決めるのは、身だしなみと表情。信頼感は「外見」からもにじみ出ます。
相手の感情に寄り添う言葉を選ぶ
共感を表す言葉「わかります」「なるほど」などを意識的に使いましょう。
ロジックよりストーリー
相手の共感を得たいときは、理屈だけでなく実体験や物語を交えて話すことで説得力が高まります。
まとめ…「人を動かす力」は誰でも磨ける
説得力とは、生まれつきの才能ではありません。
信頼×感情×論理の3つを意識し、第一印象や声の使い方を磨くことで、誰でも高めることができます。
人を動かすことができれば、信頼を得て、仲間が集まり、物事が進み、人生が豊かになります。
「人を動かす力」は、あらゆる場面で自分自身の可能性を広げてくれる「最強のスキル」なのです。
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