私たちは普段、頭の中でどのように考え、行動しているのでしょうか。
上図は側面から見た大脳を表したもので、各部分の名称とその役割を大まかに示しています。
「記憶は大事」
実際の生活場面における脳の機能を見てみましょう。
喉が渇いて「何か飲みたいな」と思ったあなたの目の前に、ペットボトル入りのお茶がありました。
このとき、あなたは後頭葉でこれを見ます。
次に頭頂葉で認識しようとします。
そして、目の前の物を認識しようと考えたあなたは、側頭葉に尋ねます。
そして「見たことがある」「知っている」(記憶の中にある)からこそ、たとえ「お茶」という文字が見えなくても、それがお茶であることが分かる(認識できる)のです。
しかし、喉が渇いたあなたは「これはお茶だ」と分かるだけでなく、次は飲む方法を考えなければなりません。
そこで、前頭葉で「飲む計画を立てよう」とします。
飲む計画を立てようとしたあなたは、もう一度側頭葉に尋ねます。
そして「ふたを開けたことがある」(記憶の中にある)からこそ、正しくふたを開けることができる(計画が立つ)のです。
そこで初めて、「お茶を飲む」という行動を起こすことができるのです。
ペットボトルのパッケージのどこを探しても、「飲むときはふたを開けてください」という言葉は書いてありません。
それでも、皆さんは当たり前のようにふたを回して開けているのです。
普段私たちが何気なく行動していることも、「これって何だろう?」→記憶に尋ねよう!、「これってどうやったらできるのだろう?」→記憶に尋ねよう! といったように、自分の記憶を頼りに生活しているのです。
要するに「記憶は大事」ということです。
【情報提供元】
■認知症ケア最前線Vol.39(一部抜粋)
■渡辺 哲弘 氏(株式会社きらめき介護塾 代表取締役)
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