
制度改定前に、知っておきたいこと
「制度が変わる」「報酬が変わる」「加算が変わる」。
制度改定の度に、現場では少し身構えてしまうかもしれません。
しかし、これからの制度改定の流れは単なるルール変更ではありません。
考え方そのものが、少しずつ変わろうとしています。
なぜ今、考え方が変わると言われているのか
一番大きな背景は、担い手不足です。
「人がいれば支えられる」という前提が崩れ始めています。
その中で国が示している方向性は、とてもシンプルです。
「支えるだけの介護から地域で生活し続けれる介護へ」
デイも「日中の居場所」という役割に加えて、在宅生活を続けるための拠点としての機能が強く求められるようになっています。
これは、入浴介助や今までの活動が不要になるという話ではありません。
それらを「こなす」という意識から、「生活につなげる」という視点へ変わっていくということです。
制度の議論は、現場にどう関係してくるのか
現在進められている制度改定の議論にはテーマがあります。
■人手が少なくても続く現場づくり
「経験者だけで支援し続ける現場」では、これからは続きません。
支援の考え方や判断をチームで共有し、誰が関わっても一定の質が保てる仕組みづくりが求められています。
■自立支援は理念から評価される支援へ
これまでの介護現場では、「その人らしく」「できることを大切に」と言われながらも、評価につながりにくい面がありました。
今後は支援による変化が見える形で評価され、求められていく可能性があります。
■DX(デジタルトランスフォーメーション)は管理ではなく、現場を助ける道具
デジタル化という言葉に苦手意識を持つ方もいるかもしれません。
しかし本来の目的は、記録や連携の手間を減らし、利用者と向き合う時間を増やすことです。
写真や動画での情報共有、どこからでも確認できる記録などは、支援のズレを減らし、チームケアを支えます。
現場目線で見る、これからのデイ
これからの変化を一言で表すなら、「何をしたか」という効果より「その人に何が起きたか」という成果が重視されるようになることです。
例えば
・レクを提供するだけでなく、役割を持てる場面をつくる
・できないことに目を向けるだけではなく、続いている生活に目を向ける
・デイの中だけで完結せず、地域とつながる支援を意識する
新しい考え方のように見えるかもしれませんが、実際には各地域の現場実践ですでに大切にしてきた視点であり、取り組まれている事例もたくさんあります。
「目の前のご利用者に合わせて考える」「画一的なケアではなく、その場での判断を大切にする」
そうした実践が、これからの制度の方向性と重なり始めていきます。
軽度の方こそ「介護の分かれ道」
要介護1・2のあり方が制度上でも継続して議論されています。
ただ介護現場の視点から見ると、軽度の時期こそが生活の分岐点です。
要介護状態となり、自信を失い、家庭や地域での役割がなくなり、外出が減り、人との関わりが少なくなる。 その積み重ねが、結果として状態の変化につながっていきます。
だからこそ、軽度のうちから関われるデイでの関わり方が重要になります。
特別な訓練ではなく、
・ご利用者自身が選べる活動
・誰かに頼られ役割が持てる場面の創出
・家庭や地域とのつながりを感じれる時間
こうした日常の積み重ねが、重度化予防の土台になります。
制度の度に振り回されないために
制度はこれからも変わります。
加算の仕組みも、評価の方法も変わり続けるでしょう。
ですが、現場が大切にする軸は変わりません。
「この人が地域で暮らし続けるために、何ができるか」
デイは単なるサービス提供の場所ではなく、人が社会とつながり続けるための場です。
制度改定は、その価値を改めて問われているタイミングとも言えるかもしれません。
現場の気づきを実践に変えていくために
制度改定だけに目を向けると「また大変になるのでは」と感じる方もいると思います。
しかし実際には、特別なことを新しく始めるというより、現場で大切にしてきた関わりを言語化し、共有できる形にすることが求められているように感じます。
これからのデイに求められるのは、特別な理論ではなく、日々の関わりを少しだけ見直す視点かもしれません。
今回の記事の中で「自分たちの現場でもできそうだ」と感じる部分があれば、それはすでに変化の一歩です。
現場の悩みや実践を共有しながら、一緒に考えて変化し続ければ良いのだと思います。
【お役立ち研修】
次世代介護マネジメントフォーラム
https://tsuusho.com/managementforum




















