ビジョントレーニング体操を現場で活かす視点
介護予防や認知機能の維持を目的とした体操は数多くありますが、近年介護予防でも注目されているのが「眼球運動(ビジョントレーニング)」です。
視線の動きは脳機能と密接に関係しており、眼球を意識的に動かすことで注意力・反応速度・身体協調性への刺激が期待できます。
安全に取り組める高齢者向けビジョントレーニング体操の内容をご紹介します。
眼球運動が介護予防に役立つ理由
私たちは普段、無意識に目を動かしていますが、加齢に伴い
・視線移動が遅くなる
・焦点調整が難しくなる
・周辺視野が狭くなる
といった変化が起こります。
これらは転倒リスクや注意力低下にも影響すると言われており、目の動きを意識したトレーニングは、単なる「目の体操」ではなく、脳への刺激としても活用できます。
基本となる眼球運動トレーニング
■左右・上下の視線移動
両手の親指を目印にし、顔を動かさず視線だけを左右・上下へ移動させます。
シンプルな動作ですが、視線コントロールの基礎づくりになります。
■寄り目トレーニング
親指を徐々に顔へ近づけながら焦点を合わせます。
これは「輻輳(ふくそう)」という遠近調整の機能を刺激します。
■遠近運動
手元の親指と遠くの目印を交互に見ることで、ピント調整の切り替えを促します。
脳を同時に使う協調運動
眼球運動だけで終わりません。
手足の動きを組み合わせることで、より高い認知刺激を生み出します。
・一人ジャンケン(左右で違う動き)
・二拍子と三拍子の指揮運動
・手のグーパーと足首運動の同時実施
これらはデュアルタスク要素があり、楽しみながら脳への負荷を高めることができます。
手指・足部を使った感覚刺激
・ペンキャッチ
・足裏でペンを転がす運動
・指先でペンを送る巧緻動作
視覚・触覚・運動感覚を同時に使うことで、単調になりがちな体操に変化が生まれます。
周辺視野を広げるトレーニング
腕を左右や斜め方向へ広げ、顔は正面を向いたまま目の端で動きを捉える練習も実施します。
これは歩行中の安全確認や環境認識にもつながる重要な要素です。
現場で実施する際のポイント
デイなどで導入する場合は、以下を意識すると効果的です。
・無理に速く行わず、ゆっくりしたテンポで実施する
・首や体が動いていないか声かけする
・できる・できないより「楽しさ」を重視する
特に眼球運動は疲労しやすいため、休憩を挟みながら進めることが重要です。
まとめ
眼球運動は、特別な道具や広いスペースを必要とせず、座位でも実施できる介護予防プログラムです。
視線・手指・足部を組み合わせることで、単なる体操ではなく「脳を使う活動」として活用できます。
日々の機能訓練のバリエーションとして、ぜひビジョントレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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