
生活活動と運動を見える化して支援につなげる
「もう少し動いてほしい」
「運動を勧めたいけど、何が適切か分からない」
現場でこう感じることはありませんか?
そんなときに役立つのが METs(メッツ) という考え方です。
難しい計算ではなく、活動の強さを目安で考えるための共通言語として知っておくと、介護職でも提案の幅が広がります。
METs(メッツ)とは?
METsとは「その活動がどれくらい体を使うか」を示した数字です。
・1METs = 安静にしている状態(何もしないでじっと座っている程度)
・数字が大きいほど、体を使う活動
つまり、METsを見ると「この人にとって、負担が軽いのか」「少し頑張るレベルなのか」がイメージできます。
難しく考える必要はありません。
活動の強さの目安と理解すればOKです。
※METsは活動の強度を示す目安です。
心疾患や整形外科的な疾患がある方の場合は、医師やリハビリ職と相談の上、無理のない範囲で調整してください。
生活活動にもMETsがある
運動だけでなく、普段の生活動作にもMETsが設定されています。
【生活活動の目安】
・座ってテレビを見る:1.0~1.3METs
・ゆっくり歩く:2.0METs前後
・料理、配膳:2~3METs
・掃除機がけ:3METs前後
・洗濯物干し:3METs前後
ここで大事なポイントは、生活そのものが運動になっているという視点です。
「運動できないから活動量が少ない」ではなく、
・食事の準備を一緒にする
・洗濯物をたたむ
・フロアを歩いてもらう
こうした関わりも、十分な身体活動になります。
運動のMETsを知ると提案が変わる
次に、よくある運動のMETsです。
【運動の目安】
・ゆっくり体操:2~3METs
・ラジオ体操:3~4METs
・速歩:4METs以上
・階段昇降:4~8METs
※会談は「ゆっくり上がる」でも4.0 METs、普通に上がると8.0 METs程度とかなり強度が上がりますので、高齢者に「階段昇降」はかなり強度と負荷の高い活動になります。
ここで重要なのは、「運動=強い負荷」ではないということです。
介護現場では、2~3METs程度を増やすだけでも意味があると考える方が現実的です。
METsで考えると支援の視点が変わる
例えば、座って過ごす時間が長い利用者。
「運動しましょう」と言うとハードルが上がりますが、METsの視点ではこう考えます。
【例】
1METs → 2METsに変える
・椅子での体操を提案する
・給茶、配茶を一緒に行う
・トイレ誘導を歩行に変える
たったこれだけでも、活動量は増えています。
つまり、運動を増やす”ではなく1段階だけ強度を上げるという発想です。
介護職でもできるMETs活用の3ステップ
[1]今の生活をMETsで見てみる
・座位中心なのか
・歩行があるのか
・家事動作があるのか
まずは「現状」を把握します。
[2]いきなり運動を増やさない
現場で失敗しやすいのが、「体操を増やす」「歩かせる」という発想です。
METsで考えると、「1METs → 2METs→3METs」という小さな変化が大切です。
ただし、METsはあくまで「強さ(強度)」の指標です。
「活動量(METs × 時間)」を増やすためには、「強度を上げる」だけでなく「時間を延ばす」という選択肢もあります。(例:2METsの歩行を5分から10分にする)
[3]生活の中で活動量を上げる
例えばデイなら、
・送迎待ちを座位から立位へ
・レクやアクティビティ前に歩いて集合
・洗濯物たたみを役割化
これだけで活動量は変わります。
特別な「運動時間」を作らなくてもいいのです。
高齢者支援では、
・運動不足
・フレイル予防
・生活機能の維持
が重要視されています。
しかし介護現場では、「リハビリ職じゃないから何をどれくらいすればいいか分からない」という声も多いのが実情です。
METsを知っていると、感覚ではなく、根拠を持って提案できるようになります。
介護職だからこそできるのは、特別なトレーニングではなく、日常生活の中にある活動を支援に変える視点です。
まずは、「この動きは何METsくらいかな?」と考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。
【お役立ち情報】
健康日本21アクション支援システム
https://kennet.mhlw.go.jp/tools/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/mets.pdf
【お役立ち研修】
次世代介護マネジメントフォーラム
https://tsuusho.com/managementforum




















