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新人・中間職員を『育てる』という考え方に潜む注意点

2024.11.08

人はなぜ育つのか

唐突な、しかも大きな質問で答えづらいかもしれません。

でも、とても大事な話なので、ぜひ考えていただきたいと思います。

「人はなぜ育つのか」

驚くことに、この問いに対する自分なりの答えを持つことのないまま、「育てる」役割を担っている方々がとても多いのです。

この出発点を踏まえずして、人財育成を語ることはできないと考えています。

さぁ、皆さんの答えはいかがでしょうか?

では、答えをお伝えします。


それは、自ら「育ちたい!」と思うから、です。


別の言い方をすると、どんなに優秀な上司が側にいても、どんなに優秀な教育プログラム・研修を受講したとしても、自らが「育ちたい!」と思わなければ、人が成長することなど決してあり得ないのです。

「そんなこと、当たり前だ!」と思われるかもしれません。

しかし、自社の人財教育システムを振り返ったとき、どれだけこの答えを大事にできているでしょうか?

どれだけこの視点を反映できているでしょうか?

ただ一方的に知識を付与したり、OJTを行ったりしていないでしょうか?


職員に気付きの場を提供する

「人は自ら育ちたいと感じた時に大きな成長を遂げる」「そのために、職員(部下)自らが『育ちたい』と感じることができるような気付きの場を提供することが人財育成の第一歩」だとした場合、どうすれば「気付きの場」を提供できるようになるのでしょうか?

一つ例を挙げましょう。

例えば、「自分たちの仕事はご利用者やご家族からどのような評価を受けているのか?どのように役に立っているのか?」を体感できる機会をつくる、という方法があります。

介護職の中には、仕事を通じて人(社会)の役に立ちたい、という想いを持っている方が少なくありません。

そんな彼(彼女)らが最も充実感を感じるのは、ご利用者やご家族から「ありがとう」「あなたがいてくれて本当に助かっています」という言葉をいただいた時ではないでしょうか? 

その言葉をいただいた時、自らの気持ちにやりがいと自信が芽生え、「この方々にもっと喜んでもらいたい」「そのために、自分自身をもっと成長させたい」と心が動き始めます。

それこそが、成長の原動力になるのです。

「気付きの場を提供する」とは、そのような意味であるとご理解ください。

そして、その「気付き」が持続するように、常に新たな「気付きの場」を創っていくこと、これこそが人財育成における上司や経営者の最も大きな役割ではないかと思っています。

「教える」という一辺倒で育成を考えてきた方にとってみれば、大きな発想の転換をしなければならないかもしれませんが、ぜひ自社の教育体制を見つめ直す一つのきっかけとして考えていただければ幸いです。


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