「言葉の記憶」
記憶とひと口に言っても、下図のように分けて考えることができます。
まずは大きく「言葉の記憶」と「身体の記憶」に分かれます。
さらに言葉の記憶は「意味記憶(知識)」と「エピソード記憶(体験)」に分かれます。
認知症になって最初に分からなくなるのは「新しいエピソード記憶」だと言われています。
記憶障害は初期のころから「覚えられなくなる」のが特徴なので、新しいエピソード(体験)は覚えられないのです。
だから覚えなくてもいい工夫が必要になります。
「身体の記憶」
「昔取った杵柄」という言葉があるように、昔からやってきた動作は身体が覚えています。
これを「手続き記憶」と言います。
厳密には身体が覚えているのではなく、小脳で覚える記憶です。
認知症は大脳の疾患なので小脳で覚えた「手続き記憶」は覚えているのです。
本人の残された記憶を引き出すアルツハイマー型認知症の人へのケアはこの「手続き記憶」をいかに引き出せるかがポイントだと言われています。
実際にはできなくても、「ちょっとしたきっかけ」(今回の場合は最初に身体を洗う動作を一緒にすること)で、思い出したようにできるようになるのが手続き記憶の特徴です。
このように記憶の特徴を理解して、上手にきっかけをつくることが専門職のスキルなのです。
あなたの気付きとかかわり方で、認知症の人が持っている能力を引き出すことができ、生活の中にその人らしさが生まれるのです。
【情報提供元】
■認知症ケア最前線(一部抜粋)
■渡辺 哲弘氏(株式会社きらめき介護塾 代表取締役/認知症介護指導者)
株式会社きらめき介護塾
認知症なるほど事例集
https://dayshop.biz/products/detail/52
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