介護職にとって大切なことのひとつにコミュニケーションがあります。
お互いの意思疎通を図るというものですが、認知症の方が何を言おうとしているのかを正確に汲み取るのは非常に困難な場合もあり、コミュニケーション手段のひとつである「会話」だけでは答えが見つかりにくいと言われています。
普段の言動をしっかりと観察して本人の「サイン」を見つけられるようになるためには、どのように考えていけばよいのか、また「サイン」にはどんな意味があるのかを考えましょう。
視覚から考える
認知症の方への環境作りの考え方のひとつに「PEAP」というものがあります。
Professional Environmental Assessment Protocol(専門的環境支援指針)の頭文字をとったものです。
PEAPはもともと、1996年にアメリカでWeisman教授らによって開発されました。
その後、2002年にケアと環境研究会により、日本の文化やケアの現状を踏まえながら日本語に翻訳され、PEAP日本版ができました。
このPEAPの考え方の中に「見当識への支援」というものがあります。
私たちが一方的に伝えて理解を求めるのではなく、本人が自分の意思で見て気付いて理解できるように環境を整えるというものです。
さまざまな考え方がありますが、コミュニケーションにおいて相手が理解しやすい手段で伝えるというのは当然のことです。
ここでは、こちらが言ったことが理解できない、もしくは分かりにくいという状況に対して、「視覚」によって認知できるように支援することを考えます。
その方法としてまず、伝えたいことを文字にしたり、写真やイラストを使って見てもらうようにします。
こちらが口頭でコミュニケーションをとるのは、「聴覚」への働き掛けとなります。
この方法だといったんは理解できたとしても、認知症の症状である「記憶障害」によって聞いたことを忘れてしまうことが多いのです。
忘れてしまうとまたこちらから伝えることとなり、それが何度もくり返されると伝えるスタッフも疲れてきますし、聞く本人の心中も穏やかではないでしょう。
見て分かる表記をすることで、本人が自発的に「見て」気付き、理解してもらうことができます。
また、周りの人がさりげなく本人に教えてくれるということもあります。
認知症の特徴から考えると、理解してもらうためには、「視覚」からの支援が必要であり、効果的です。
話をして伝える方法は本人に対してだけですが、視覚から伝えるということは周りも巻き込む方法です。
こういった視野を持ってコミュニケーションについて考えてもらえたら嬉しいですね。
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