リスクマネジメントは、ケアのスタートラインです。
介護職や医療職は、利用者に対するリスクマネジメントを考える際に、転倒・骨折や誤嚥・窒息など、身体面ばかりに目を向けがちです。
しかし、「相手に嫌な思いをさせる」「不安感を与える」「怖がらせる」など精神面でのリスクマネジメントや「選挙での投票の機会を失わせる」「経済的な損害を与える」などの、社会面でのリスクマネジメントも重要です。
私たちが利用者のリスクマネジメントについて考える際には、【身体面・精神面・社会面】の3つの面すべてに対して考慮する必要があります。
■身体面
・転倒
・転落
・感染症
・やけど
・誤嚥
・誤飲
・窒息
・怪我
・毒物摂取
・誤薬
・疾病の悪化など
■精神面
・痛み
・不安の増強
・嫌な思いをする
・退屈が続く
・怖い思いをする
・不快な思いをする
・孤独感を味わう
・嫌がらせを受ける
・抑うつ傾向の増強など
■社会面
・投票の機会を剥奪される
・経済的な損害
・差別的な扱いを受ける
・就業の機会を奪われる
・文化的な生活ができない
・社会との交流がない
・宗教の自由を奪われる
・名誉を傷つけられるなど
リスクマネジメントの3つのフェーズ
現場でのリスクマネジメントでは、事故の「発生予防」に目が向けられる傾向が強いようですが、事故が起きたらどうするのかという「発生時対応」や、事故が起き、緊急対応が済んだ後の「発生後対応」も必要です。
例えば、転倒骨折に対するリスクマネジメントでは、転倒予防が最も重要となりますが、「発生時対応」として実際に利用者が自分の目の前で転倒した場合の対応もできなければいけません。
この場合、医師や看護師を呼びに行くという対応ではなく、その場で自分が何をするかという対応方法をまず身に付けてください。
(医師や看護師を呼ぶのも1つの対策ですが、いない場合も多々あります)
また、「発生後対応」でも、転倒骨折が発生して緊急入院となった際に、誰が見舞いに行くのか、誰が本人や家族に説明するのか、医療費の負担はどうするのか、事故報告書の提出など、さまざまな事項について決めておくことが必要です。
【情報提供元】
■ケアの視点とケアマネジメント(一部抜粋)
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